今日の新刊
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「自衛隊のリアル」瀧野隆浩著
2014年7月に安倍政権が集団的自衛権「行使容認」の閣議決定をしたとき、著者は「ヤバい」と思った。法案は自衛隊のリアルと違うところにあるからだ。2004年にイラク復興支援活動に行ったとき、陸上自衛隊…
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「70年代シティ・ポップ・クロニクル」萩原健太著
70年代、ロックという外来文化に日本語を絡ませようと、多くのシンガーがチャレンジした。日本語の発音を根底から覆すような矢沢永吉の歌声に、著者は何か大切なものを破壊されるような快感を感じたが、この快感…
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「悪政と闘う」鎌田慧著
かつては「忍び寄るファシズム」といわれたが、現在、安倍首相は正面突破を狙っている。自衛隊を軍隊に変えようというのは〈自衛隊〉を〈米衛隊〉にするということなのか。国防軍をつくると言いだした背景には尖閣…
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「藪医 ふらここ堂」朝井まかて著
神田三河町の小児科医、天野三哲は、朝が苦手なうえ無愛想で、〈藪のふらここ堂〉とあだ名されている。あるとき、駿河町の大店、坂本屋の手代が飛び込んできた。主の子どもが高熱を出したのに、かかりつけの医者が…
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「君は人生を戦い抜く覚悟ができているか?」鳥越俊太郎著
1989年、「サンデー毎日」は組閣3日後に〈清廉潔白〉が売りだった宇野宗佑首相の買春問題をスクープした。毎日新聞の政治部から回されてきた、首相の元愛人からのタレコミ電話がきっかけだった。当時は「政治…
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「ルポ 過激派組織IS」別府正一郎・小山大祐著
現在、世界を震撼させているイスラム過激派組織IS。その誕生のきっかけは1916年、イギリスとフランスが植民地政策に基づいて中東を勝手に線引きして分割したことだった。その〈国境線〉はスンニ派の居住地を…
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「卜伝飄々」風野真知雄著
剣聖・塚原卜伝は、彼と立ち合って名を上げたいと考えるやからや、彼を敵と狙うやからにやたらと襲われる。あるとき、同じ渡し舟に乗った若い男が後をつけてくるのに気づいた。その男、五助は卜伝が斬り殺した男の…
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「太閤の巨いなる遺命」岩井三四二著
関ケ原の合戦後、豊臣の臣下、小西家に仕えていた彦九郎は南蛮貿易の商人となった。4年前、商売を広げるため、かつての同僚だった坂崎陸之介をアユタヤに派遣したが、行方不明に。 彦九郎は陸之介を捜す…
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「逆境の教科書」山口伸廣著
建築会社を経営していた著者は、経理担当としてもぐりこんだ乗っ取り屋に年商100億の会社、個人資産230億円、すべてを奪われた。住んでいた家も銀行に差し押さえられたが、売りにくい物件だったため、銀行と…
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「亡国記」北野慶著
2017年、深田翠は島岡原発即時停止を求める10万人分の署名簿をもって中部電力の本店を訪れた。政府が次々と原発を再稼働させていたのだ。だが、特別公安刑事に阻まれて目的を果たせず、島岡原発近くのホテル…
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「スーパーノート」カスパー捜査官、ルイージ・カルレッティ著 飯田亮介訳
アリタリア航空のパイロット、カスパーは実はイタリアの憲兵隊ROSの覆面捜査官だった。国際麻薬組織を捜査していたが、そのなかでたびたび〈スーパーノート〉に遭遇した。スーパーノートとは精巧な米ドルの偽札…
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「私たちの平和憲法と解釈改憲のからくり」小西洋之著
安倍政権が強行する「安保法案」のデタラメを暴いた反論本。安倍政権を舌鋒鋭く追及してきた民主党・小西洋之参院議員が、昨年7月1日の閣議決定による「解釈改憲」の“からくり”を浮き彫りにした。 冒…
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「文学者掃苔録図書館」大塚英良著
「掃苔」とは墓参りのこと。著者が250人の作家、詩人の墓をめぐり、彼らの作品に込めた渾身の思いを受け止めた20年の記録。 「蟹工船」の作者、小林多喜二は特高の拷問で殺された。老母は全身腫れあがっ…
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「ドイツ映画零年」渋谷哲也著
「民族の祭典」「美の祭典」(オリンピア)を作った映画監督、レニ・リーフェンシュタールは連合国の審理でナチ体制の〈同伴者〉と位置付けられて戦犯とは認められなかった。だが、彼女の映画はナチスのプロパガンダ…
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「曽呂利!」谷津矢車著
堺の町中に秀吉を揶揄する落首が広まった。蜂須賀小六が捕まえた犯人は鞘師の曽呂利新左衛門。この男の作った鞘は刀を引き抜いても鞘走りの音がしないという評判だった。秀吉は新左衛門を打ち首にしようとしたが、…
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「放課後の厨房男子」秋川滝美著
「豚汁試食中でーす!」 スポーツの強豪校、末那高校で、料理部ならぬ包丁部の勝山大地は新入部員を勧誘するために声を張り上げた。 だが、食い逃げして立ち去るやつばかり。「すごく美味しいです! これ…
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「芸人貧乏物語」松野大介著
サンドウィッチマン伊達みきおは、2キロ200円の業務用モヤシを買い、毎日モヤシ炒めで飢えをしのいだ。バイきんぐは16年間の下積み時代に24種類のバイトを経験。ナイツの塙は共同風呂が嫌で、一人暮らしの…
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「潮の音、空の青、海の詩」熊谷達也著
仙台で予備校の講師をしていた川島聡太は、実家のある仙河海市が津波に襲われたことを知った。両親は行方不明で死体も見つからなかった。 2060年、仙河海市は巨大な防潮堤で海と隔てられていた。防潮…
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「脱・メタボ 14日間の旅!」桐山秀樹著
おやじダイエット部部長である著者の元に手紙が来た。朝、娘を抱きあげたら「パパ、とんこつラーメン臭い」と言われた元週刊誌記者が、健康の極意を伝授してほしいというのだ。そこで彼を伴って健康長寿王国を目指…
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「ヒーローたちの戦いは報われたか」鈴木美潮著
日本のテレビの特撮ヒーロー番組は「月光仮面」に始まる。当時のテレビ映画はすべてアメリカの輸入作品で、支払いもドル。そこで、外貨流出を食い止めるために低予算の国産ドラマが作られることになった。正義の味…