「『身体』を忘れた日本人」養老孟司 C・W・ニコル著

公開日: 更新日:

 ニコルが若いとき、カモを撃とうとしたら、その殺気を感じたのか、水に潜った。殺気のオーラの中には、においもあるのかもしれない。北極に行ったときはそういうにおいを発していなかったため、動物がニコルを怖がらなかった。それを聞いて養老は、ある調香師の体験を紹介した。実家に帰省したとき、座敷に寝かせた子どもの近くを大きなムカデが這っていた。そのとき、におってきたのが自分の体臭だった。つまり、においを出してムカデを追い払おうとしたのだという。

 解剖学者とナチュラリストが、現代人の「身体感覚の衰え」について語る対談集。

(山と溪谷社 1300円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 4

    柳田悠岐の戦線復帰に球団内外で「微妙な温度差」…ソフトBは決して歓迎ムードだけじゃない

  5. 5

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    ローラの「田植え」素足だけでないもう1つのトバッチリ…“パソナ案件”ジローラモと同列扱いに

  3. 8

    ヤクルト高津監督「途中休養Xデー」が話題だが…球団関係者から聞こえる「意外な展望」

  4. 9

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 10

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?