「米軍医が見た占領下京都の600日」二至村菁著

公開日: 更新日:

 1947年、戦争で疲れはて、京都の人々は飢えていた。そこに25歳のアメリカ人軍医が赴任してきた。グリスマン軍医中尉は中国大陸への赴任を希望していたのだが、送られたのは京都だった。京都では性病が蔓延していた。貧農の娘たちが特殊飲食店という名の売春施設で働かされて、特殊飲食店の経営者はボロもうけしていたのに、売春婦の性病検査費は京都府庁が払っていた。これは「花柳病予防法」で決まっているという。軍医はたびたび〈性病学会〉の豪勢な宴会に招かれたが、〈性病学会〉というのは、売春施設の経営者組合だった。米軍医が見た占領下の京都を描くノンフィクション。(藤原書店 3600円+税)



最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    国分太一の先行きはさらに険しくなった…「答え合わせ」連呼会見後、STARTO社がTOKIOとの年内契約終了発表

  2. 2

    大谷翔平も目を丸くした超豪華キャンプ施設の全貌…村上、岡本、今井にブルージェイズ入りのススメ

  3. 3

    100均のブロッコリーキーチャームが完売 「ラウール売れ」の愛らしさと審美眼

  4. 4

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  5. 5

    日本語ロックボーカルを力ずくで確立した功績はもっと語られるべき

  1. 6

    都玲華プロと“30歳差禁断愛”石井忍コーチの素性と評判…「2人の交際は有名」の証言も

  2. 7

    規制強化は待ったなし!政治家個人の「第2の財布」政党支部への企業献金は自民が9割、24億円超の仰天

  3. 8

    【伊東市長選告示ルポ】田久保前市長の第一声は異様な開き直り…“学歴詐称”「高卒なので」と直視せず

  4. 9

    AKB48が紅白で復活!“神7”不動人気の裏で気になる「まゆゆ」の行方…体調は回復したのか?

  5. 10

    ラウールが通う“試験ナシ”でも超ハイレベルな早稲田大の人間科学部eスクールとは?