「春画入門 浮世絵の豊潤なる世界」

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 名浮世絵師たちによる名作・傑作を集め、オールカラーの大迫力で掲載。全体というよりは部分的にクローズアップしたカットが多い。密かに淫猥さを追求したい人、筆致の精細さを確かめたい人、春画初心者に薦めたい画集だ。圧巻は見開き一枚画。タコと海女が絡み合う「喜能会之故真通」(葛飾北斎)や、中年夫婦の性器が照らし出されている「花鳥余情吾妻源氏」(歌川国貞)あたりは、温度や質感まで伝わってくる勢いがある。性器の結合も性戯の様態も、ここまで大胆に威風堂々と掲載されていれば、いろいろな意味での満足度も高い。書名通り、豊潤なる世界を堪能できる。(河出書房新社 2300円+税)

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