「心の平安」アフメト・ムディ・タンプナル著 和久井路子訳

公開日: 更新日:

 両親をなくしたミュムタズは従兄のイヒサンに引き取られる。ミュムタズはボードレールやオペラ「魔笛」など西洋の文化に引かれていたが、包括的なトルコ史を書こうとしていたイヒサンの講義を受けてトルコの文化に目を向けるようになった。博士論文を書き上げたミュムタズはボスポラス海峡を渡るフェリーの中で、ヌーランと出会う。彼女は夫と別れたばかりだった。2人はイスタンブールで再会して、離宮を見に行ってその美しさに打たれる。そして愛をはぐくんでゆくのだが……。

 第2次大戦勃発前のトルコの青年の甘美な愛と、祖国の文化への郷愁を描く長編小説。(藤原書店 3600円+税)



最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    大手家電量販店の創業家がトップに君臨する功罪…ビック、ノジマに続きヨドバシも下請法違反

  3. 3

    落合監督は投手起用に一切ノータッチ。全面的に任せられたオレはやりがいと緊張感があった

  4. 4

    自民党総裁選の“本命”小泉進次郎氏に「不出馬説」が流れた背景

  5. 5

    「二股不倫」永野芽郁の“第3の男”か? 坂口健太郎の業界評…さらに「別の男」が出てくる可能性は

  1. 6

    今思えばあの時から…落合博満さんが“秘密主義”になったワケ

  2. 7

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性

  3. 8

    三谷幸喜がスポーツ強豪校だった世田谷学園を選んだワケ 4年前に理系コースを新設した進学校

  4. 9

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  5. 10

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋