本で読み解くNEWSの深層
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「長期停滞の資本主義」本田浩邦著
日本を含め世界の主要先進諸国は経済成長の長期停滞に陥っている。賃金の抑制と雇用の非正規化が進み、十分な所得と老後保障を得た国民は3分の2に満たない。かつての成長は高賃金と社会保障の組み合わせによる。…
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いまどきの女子と男子
草食男子に肉食女子。ちかごろはインスタ女子やらオタク女子もいるそうで……。 誰もかれも自称「女子」の昨今だが、実は世代その他で違いは大きい。連絡手段として中高年にも人気のLINEは24歳以上…
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移民とニッポン
昨年11月、閣議決定された入管法の改正。果たして日本社会は移民を受け入れることができるのか。 ◇ 早い時期にネトウヨ問題に迫った「ネットと愛国」で知られるルポライターが今度は「団地」に迫っ…
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海洋プラとゴミ問題
ポリ容器や皿、レジ袋、ストローなどのプラスチックごみがマイクロ化して海洋を汚染する「海洋プラ問題」。いま危機感はかつてなく強い。 ◇ EU主導で進む海洋プラごみ問題の対策論。その主軸は…
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ひきこもりと向かい合う
川崎の高齢ひきこもり殺人、練馬の息子刺殺で新たな問題となったのが「長期ひきこもり」だ。 ◇ 20年近くもひきこもり家庭への訪問支援を続けてきた著者。その回数は年間およそ800回にのぼるとい…
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「政治主導」の正体
「政治主導」の美名のもと、やりたい放題の安倍政権。その陰には実は異色の官僚集団がいた。 保守系メディアの最右翼にして安倍政権批判の急先鋒に立つ。本書はそんな「文藝春秋」の連載をもとにした書き下…
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よみがえるテヅカ
今年は手塚治虫没後30年。その影響はいまなお大きい。 ◇ 昭和22年、手塚の「新宝島」が世に登場した。これに強烈な影響を受けたのが富山の藤本弘と安孫子素雄(のちの藤子不二雄)、宮城の石…
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本当の「女性活躍」
安倍政権が掲げる「女性活躍」がいかに薄っぺらか。書店にあふれる「本物」を手に取ろう。 ◇ 団塊ジュニア世代もいまや40代後半。しかし親が親だけに、本当のフェミニズムはこの世代から定着し…
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婚活時代
いまやすっかり定着した「婚活」。しかし、その実態は果たして……。 「婚活」というコトバは新しいが、やってることは昔と同じ。だが、1980年代の結婚論ブームと2000年代以降の婚活は違う、という…
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官邸のスパイたち
今回の参院選でも暗躍したと噂される「内閣情報調査室」(内調)。その実態を描く本が続々。 ◇ 話題の内調本は数あれど、実は本書が最重要。冷戦下の1952年、アメリカの戦略拠点となることでよう…
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危うい統計
昨年末、厚労省の調査の不正が発覚。国家や社会の実態を表す基本資料が独断政権のもとで危うくなっている。 ◇ 昨年8月、同6月の毎月勤労統計調査(速報値)における名目賃金伸び率が3.6%を…
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追憶の平成バブル
平成の30年間はバブル絶頂から転落の時代。その時代の歓喜と悲惨を振り返る。 ◇ 平成元年の1989年はバブル絶頂期。自粛ムードをものともせず日経平均は年初に500円近く上げて史上最高値…
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オキナワの暑い夏
玉城デニー沖縄県知事の全国行脚「トークキャラバン」をはじめ、今年も沖縄発の暑い夏が始まる。 ◇ 70年代以来、いつのまにか沖縄に集中されてきた米軍基地。いまや国道16号周辺をふくめ、首…
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LGBTQ時代
「同性パートナーシップ」制度の発足から3年。いよいよ進み始めたLGBTQ時代。 ◇ 近ごろは大学の授業でも取り上げられるようになったLGBT。Lはレズビアン、Gはゲイ、Bはバイセクシュアル、…
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「選挙制を疑う」D・ヴァン・レイブルック著 岡﨑晴輝ほか訳
大揉めの英議会からタレント大統領のウクライナ、中道衰退のEU議会と、世界中で選挙と民意をめぐる波乱が巻き起こっている。 いま世界中を覆っている政治現象は「民主主義疲れ症候群」だ。誰もが民主主…
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【発達障害の時代】子どもから大人まで、いまや全世代が心に悩みをかかえた“発達障害”の時代だ。
あいさつをしても返事がない。人の話にうなずきもせず、黙ったまま。同僚が片づけているのに自分はぼんやり。そして目の前の相手と目を合わさない……。それ、うちの職場の若手だよという人は多いのでは? …
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ニッポン外交の今昔
どこまでもトランプにすり寄る安倍「抱きつき外交」。ニッポン国よ、これでいいのか!? ◇ 本紙コラム「日本外交と政治の正体」でおなじみ、元外務省国際情報局長で駐イラン大使などを歴任した著…
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いまどきの大学
この4月に文科省が始めた「専門職大学・専門職短期大学制度」の実態は全国でわずか3校。いまどきの大学って何? 東大の永遠のライバルが京大こと京都大学。ノーベル賞受賞の卒業生(学部)も東大8人対…
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ポピュリズムの可能性
憎悪犯罪などをあおる危険な政治思想といわれるポピュリズム。しかし、全く違う顔があるのだ。 ◇ テリーザ・メイ英首相の前に立ちはだかる労働党党首J・コービン。白髪白ヒゲで外見から左派らし…
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ほんとは役立つ統計
厚労省の統計改ざん騒ぎ以来、統計への信頼が激しく揺らいでいる。 ◇ アメリカの大学で「刑事司法学部」の主任教授の座にあるという著者。人々が「統計リテラシー」を持つべきだという。リテラシ…