海洋プラとゴミ問題

公開日: 更新日:

「海洋プラごみ問題解決への道」石油化学新報編集部編

 ポリ容器や皿、レジ袋、ストローなどのプラスチックごみがマイクロ化して海洋を汚染する「海洋プラ問題」。いま危機感はかつてなく強い。



 EU主導で進む海洋プラごみ問題の対策論。その主軸は生産削減論だが、日本政府は流出防止や回収優先で、生産を行う経済活動を制限する気はない。石油化学製品の業界雑誌が編集した本書も「海にごみが散らかっているなら、回収してきれいにすればよく」「使い捨てプラを規制してゼロにしても、川や海にごみが流出している状況は改善されない」とする。

 エコバッグも製造過程のCO2排出量はレジ袋の50倍あり、レジ袋の再利用のほうが効果的なときもあるという。各種環境団体などの主張とは違うが、業界の主張を学ぶには適する。

 中国が廃プラ輸入禁止を打ち出したことの影響や業界の取り組みなど、業界誌ならではの細かな情報が豊富。



(重化学工業通信社 1600円+税)

「『脱使い捨て』でいこう!」瀬口亮子著

 日本でレジ袋問題が浮上したのは消費税率引き上げで袋も有料化が現実になったから。しかし、欧州諸国では何より環境問題が背景だ。

 デンマークでは1994年に「包装税」を導入。イタリアはさらに早く、プラ袋を禁止した。アメリカでも自治体条例でプラ袋禁止ないしは有料化が進み、韓国は使い捨て品使用規制の法制化で無償配布をなくした。日本は遅れているのだ。

 本書はほかにもペットボトルや皿、コップなどの使い捨て食器についての世界の現状も伝えている。

 著者は環境問題NPOの代表。

(彩流社 1800円+税)

「ゴミ清掃員の日常」滝沢秀一=原作・構成滝沢友紀=まんが

 芸歴21年ながらライブのギャラは1000円。諸経費や相方との折半を経ると315円。それでも妻と2人の子どものためにごみ清掃員としても働く「マシンガンズ」滝沢が、作画を担当した奥さんとともにおくるマンガ版ドキュメント。

 清掃員6年の経験で言えるのは「ゴミは生活の縮図」。ごみ集積所が荒れているところは住民の絆が薄く、治安も悪い。ごみの中身で私生活もわかるという。しかし、本書のよさはどんな話もほんわかした笑いに変えるところ。その源が奥さんの絵。自虐ネタにほのぼのした感興を生み出す。

 ちなみに名優カーク・ダグラスの有名な自伝は「くず屋の息子」。がんばれ、マシンガンズ滝沢。

(講談社 1000円+税)

【連載】本で読み解くNEWSの深層

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    2度目の離婚に踏み切った吉川ひなの壮絶半生…最初の夫IZAMとは"ままごと婚"と揶揄され「宗教2世」も告白

  2. 2

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  3. 3

    嶋基宏は一時期ノイローゼ状態になっていた...心ここにあらずで、魂が抜けた状態に

  4. 4

    伊藤健太郎とキンプリ永瀬廉で明暗クッキリ…「熱愛報道」出口夏希の足を引っ張りかねない“イメージ格差”

  5. 5

    なぜ「愛子天皇」ではダメなのか? 美智子さまが心情を吐露する出版物を準備中…と政界で話題

  1. 6

    嵐が去る前に思い出す…あの頃の「松本潤」と「大野智」

  2. 7

    視聴率の取れない枠にハマった和久田麻由子アナの不運 与えられているのは「誰でもできる役割」のみ

  3. 8

    不慮の事故で四肢が完全麻痺…BARBEE BOYSのKONTAが日刊ゲンダイに語っていた歌、家族、うつ病との闘病

  4. 9

    居酒屋倒産が過去最多ペース 客離れの背景にある「飲み放題5000円」の壁

  5. 10

    巨人“育成の星”のアクシデントに阿部監督は顔面硬直、原辰徳氏は絶句…桑田真澄氏の懸念が現実に