隠れた血管病「下肢動脈疾患」の恐怖…歩くと足が痛いのは老化ではない
ただし、この病気の本当の怖さは「足だけの病気ではない」という点にあります。足の動脈硬化が進んでいるということは、心臓の冠動脈や脳の血管でも同じように動脈硬化が進行している可能性が高く、心筋梗塞や脳梗塞を発症するリスクが高く、すでにそれらの病気を合併していることも少なくありません。つまり、足の症状は全身の血管から発せられた警告サインともいえるのです。
PADの典型的な症状は「間欠性跛行」です。
間欠性は、「症状が出たり消えたりすること」で、跛行は「足を引きずるような歩き方」という意味です。冒頭で触れたように、歩き始めは問題なくても、しばらくするとふくらはぎや太もも、お尻などに痛みや重だるさが現れ、歩き続けられなくなります。こうした状態が繰り返されます。
この症状は腰部脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアなどとよく似ていますが、実際にはPADが隠れているケースがあります。整形外科で腰の治療を続けても改善しない場合は、一度PADを疑う必要があるかもしれません。
また、PADだからといってすべての人に症状が出るわけではありません。高齢者は活動量が少ないため、症状が出る前に日常生活が完結していることがあります。糖尿病患者では神経障害があるため、血流が悪くても痛みを感じにくいこともあります。


















