足の動脈硬化「下肢動脈性疾患」の最新治療…世界初の治療技術を東海大が開発
足の動脈硬化の世界初の画期的な治療技術が開発され、治験が始まることになった。開発者の東海大学医学部付属八王子病院画像診断科・血管内治療センターの長谷部光泉教授、小川普久准教授らに話を聞いた。
足の動脈硬化である「下肢動脈性疾患」は、足の血管が狭くなったり詰まったりして血流が悪くなる病気だ。初期は無症状だが、酸素や栄養が十分に運ばれなくなるため、「間欠性跛行」(歩くと痛み、休むと改善)から始まり、安静時の痛み、さらに潰瘍や壊疽へと進展する。最悪の場合、足が腐り(壊疽)、切断に至ることもある。
「膝下の切断なら装具で歩行可能ですが、膝上の切断では装具がなく、歩行は極めて困難です。動脈硬化が進んだ患者さんは全身状態も悪く、歩行不能によって身体機能が急速に低下します。5年生存率が一部のがんより低いことがデータ的に示されています」
安静時に痛みが出る段階では薬物治療だけでは困難で、血管内カテーテル治療でどうにかして切断を避けることに全力を尽くす。このカテーテル治療は、心臓の動脈硬化である心筋梗塞でも行われている。