人間はなぜ突然、ひらめくのか? 三木大雲和尚が読み解く宮沢賢治の世界観…仏教の「虚空蔵」とAIは何が違う
前作『お経から読み解く未来予言 仏教コード』が話題になった光照山蓮久寺の三木大雲和尚。同書では、さまざまなお経に記された未来予言を読み解き、災厄を回避するための人間の生き方を説いた。そして今年7月、第2弾となる『お経に記された宝のありか 仏教レコード』を発売した。
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三木和尚は言う。
「前作の『仏教コード』は“陰”の本なんです。どちらかというと、少し不安を感じさせるような内容でしたが、今回の『仏教レコード』は、頑張れば自分たちも仏になれる、という“陽”の本。表紙も前作が“影”、今回は“光”をイメージしています。『レコード』の『レ(Re)』は“再び”という意味もあるように、続編というより、陰陽の太極図のような二冊でひとつなんです」
本作のキーワードのひとつが「虚空蔵」だ。仏教には「虚空蔵菩薩」と呼ばれる菩薩がいる。「虚空」は限りなく広がる空間、「蔵」は宝を収める場所を意味し、広大な虚空のように無限の智慧や功徳を備えるとされる。では、三木住職が本書で語る「虚空蔵」とは何なのか。現代人にも分かりやすいよう、「クラウド」にたとえる。
「虚空蔵には、過去、現在、未来のすべての情報が入っているんです。現代的にいうとクラウドです。クラウドは、必要な情報を自分からアクセスして取得する仕組みです。でも虚空蔵は、向こうから『今、この情報どうですか』って投げてくれるようなイメージなんです」
具体的にはどういうことなのか。実は三木和尚には、虚空蔵から情報を受け取ったという不思議な体験がある。20代前半、まだ僧侶になったばかりの頃、誰からも頼まれていないのに、周囲に「将来、私は本を出版する」と話していたそうだ。
「自分の中では、ほぼ確信としてあったんです。その後、本を出版することになり、“有言実行ですね”と言われるんですけど、そうじゃない。あれは決まっていた感覚というか、過去にあった出来事のように感じていたんです」
三木和尚にとってこれは未来予知ではない。これから起こるはずの出版を、すでに経験した出来事のように感じていたという。この体験を、未来の情報を虚空蔵から受け取った一例として捉えている。
本の執筆中にも、不思議な感覚になるという。
「自分がひとつの空間にラッピングされているような感覚なんです。人からしゃべりかけられても、一切入ってこない。朝4時半になっても、ほとんど疲れを感じないんです」
三木和尚は、そんな状態を「虚空蔵の中に入っているような感覚」と話す。周囲の音が気にならず、時間を忘れるほど集中する、いわゆる「ゾーン」に近い感覚だという。こうした体験は、特別な人だけに起こるのだろうか。
「そんなことはないんです。皆さんにもありますよ。『ひらめいた』とか『勘が働いた』とか、『なんとなく、これだと思った』とか。そういう形で受け取っているんです。ただ、現代人は受信感度が弱くなっているんです。だから、せっかく虚空蔵から情報が来ても受け取れない。それで苦しんだり、悩んだりしてしまう」

















