認知症
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世界の医学界が注目する認知症と難聴の関係…補聴器の使用で認知症リスクは8%程度低下
高齢化が進むわが国で認知症対策は喫緊の課題だ。診療をしていると、「最近、物忘れがひどくなって、認知症が始まったのではないかと心配です」と相談されることが多い。どうすれば、認知症を予防できるだろうか。 4月13日、中国の山東大...
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認知症患者の施設での金銭トラブルを防ぐために貴重品の管理はどうすべきか
認知症が進行して在宅での介護が難しくなると、施設への入居を検討するケースが少なくないでしょう。そうした施設内で多いのが貴重品管理のトラブルです。認知症を発症すると、お金に対する執着が異常に強くなる方がよく見られます。背景には、「若い...
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脳トレは認知症対策にはならない…脳神経内科医にリスク回避法を聞いた
2025年には65歳以上の約5人に1人が認知症と推定されている。認知症リスクを少しでも下げたい場合、何をすればよく、何を避けるべきか? 高齢者患者を数多く診ている米山公啓医師に聞いた。 ◇ ◇ ◇ 「若いのに脳が老...
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ある日の診察室の光景…怒る妻に、認知症の夫が「いつもありがとう」
私の外来では、アルツハイマー病の方の診察はだいたい月に1回。ある日の診察室での光景です--。 「こんにちは。今日は雨で、うっとうしいですね。来るのが大変だったでしょう」 「そうなんですよ! ただでさえ時間がかかるのに、こ...
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認知症になるとお風呂を嫌がるのはなぜか…入浴を促すには?
認知症の親がもう2週間も入浴していないのですが、どうやって促したらいいのでしょうか--。介護するご家族から相談を受ける機会がしばしばあります。お風呂は毎日入るといった認識を持つ私たちは、入浴してもらおうと必死になり説明や説得を試みま...
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認知症患者の「夜、寝ない」問題…介護する家族にアドバイスしていること
「お義父さんが夜寝てくれない。夜中に何度も『おーい、だれかいないかー』と家族を呼ぶのです。寝不足でつらい」 これは、あるお嫁さんの訴えです。 お義父さんがアルツハイマー病と診断されたのが1年ほど前。夫や高校生の息子も介...
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認知症患者の「夕暮れ症候群」はなぜ起こる? 夕方になると家に帰ろうと落ち着きがなくなり…
認知症の患者さんが、夕方になると落ち着きがなくソワソワし出し、「お世話になりました。そろそろ家に帰ります」と、自宅にいるのに帰宅の準備を始めることがよくあります。この症状は、夕方から夜間にかけて現れるので「夕暮れ症候群」や「日没症候...
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「財布を盗まれた」と大騒ぎ…それがきっかけで認知症が発覚
「認知症の母親が、通販でいろいろ注文をして困ります」と言うのは、40代後半のある男性。 お母さん(70代)は静岡県に1人で住んでおり、男性は東京都在住。認知症が発覚したきっかけは数カ月前。お母さんが「近所の人に財布を盗まれた」...
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認知症患者が1人で家にいるときに不安を感じさせない方法は?
認知症が進行すると、不安の症状が強く現れるケースがあります。よく、認知症の患者さんを在宅介護されている家族から、「外出していると、大した用事もないのに何度も電話をかけてくる」と聞きます。患者さんはなぜ今1人で家にいるのか分からず不安...
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睡眠薬が認知症の予防に有効!? 神経医学の専門誌に掲載
認知症の代表であるアルツハイマー型認知症では、まずアミロイドβというタンパク質が脳にたまり、それからしばらくして今度はタウという別の脳内タンパク質がリン酸化という変化を起こして蓄積します。脳細胞が死んで物忘れなどの症状が出るのは、そ...
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今日も「健脳カフェ」は賑やか 学生も入り交じり会話が弾む
毎週金曜日の朝10時から開いている「健脳カフェ」。コロナ禍でも毎週のように通ってこられる方がいたのですが、ゴールデンウイーク明けの先日は、お天気が良かったこともあり、一層賑やかでした。用意した椅子がすべて埋まり、新たに椅子を設置する...
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認知症の本人が「食べたい」と何度も訴えたら食事を与えてもいいのか
認知症の症状のひとつに、食行動の異常があります。特にアルツハイマー型認知症に多いのが「過食」です。認知機能の低下で記憶障害が起こり、食事した行為そのものを忘れて何度も食べるとされています。 また、認知症で満腹中枢の働きが低下...
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認知症最新研究 特定の「音」を聞かせて原因物質アミロイドβを減少させる
認知症で最も多くを占めるアルツハイマー病は、脳の神経細胞の周囲にアミロイドβというタンパク質が蓄積することで神経変性が進行し、脳が萎縮して発症する。アミロイドβの蓄積は、アルツハイマー病を発症する20年ほど前から始まることもわかって...
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「海馬の萎縮=アルツハイマー病」とは限らない 慎重な鑑別が必要
認知症とは、いったん獲得した認知機能(記憶や判断、計算など)が低下することで、日常生活や社会生活に支障をきたしている状態です。 「認知症=アルツハイマー病」と思われがちですが、認知症の中にもさまざまな病気があります。 ...
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要介護認定を受けたものの本人が拒否したら家族はどうするべきか
認知症の方が介護保険を利用して介護サービスを受けるためには「要介護認定」を受ける必要があります。これには「要支援」と「要介護」の2種類があり、日常生活の中でどのくらい介護を必要とするかにより判断が異なります。 要支援は、基本...
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「米ぬか」はアルツハイマー病の治療に役立つのか…医師主導研究がスタート
東京歯科大学市川総合病院では今、ある臨床試験への参加希望者320人を募集している。目的は「米ぬか成分によるアルツハイマー病への治療効果」を確かめること。主任研究者である同病院准教授の宗未来医師(精神科医)に話を聞いた。 ◇ ...
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「物忘れ」とは最近やさっき起きたことの記憶を保持できない
アルツハイマー型認知症の話の中で、必ずといっていいほど出てくる言葉が「物忘れ」です。ではみなさん、「物忘れ」って、具体的にはどういうことを指すと思いますか? 認知機能低下を心配して来院した方やそのご家族に「物忘れはありますか...
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認知症では寝ているときに手足が勝手に動いてしまうのはなぜ?
ときどき、認知症の人が夜間に徘徊して、行方不明になるといったニュースを目にすることはありませんか。徘徊は、一般的に認知機能の低下によって直前のことが思い出せなくなり、目的を見失うことで起こります。たとえば、トイレに行こうと思ったもの...
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軽度認知障害の時期に対策を講じれば、健康な状態に戻れる
認知症で最も多くを占めるアルツハイマー型認知症。治す薬が現段階では登場していないことから「早期診断に意味がない」と思う方がいるかもしれません。 しかしアルツハイマー型認知症は、症状の進行が非常にゆっくり。早期に見つけ、対策を...
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65歳未満で発症する若年性認知症になったら仕事は続けるべきか
一般的に高齢者に多い認知症のほかに、65歳未満で発症する「若年性認知症」があります。女性に比べ男性に多く、働き盛りの50代で発症するため仕事を辞めてしまうと収入がなくなり、家計に大きな影響をもたらします。また、家のローンや子供の学費...
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「2つのことを同時にこなせない」が脳の老化を加速する?
屋外の歩行は、手足を動かすだけでなく、道路標識や信号の確認、位置情報の把握など、複数の認識能力を同時に使うことが求められます。 「テレビを見ながら掃除をする」など、2つのことを同時に行う課題を二重課題と呼びますが、屋外歩行も二...
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入院した高齢者の3分の1がせん妄を経験…発症の半分は入院中に
せん妄は、突然発症する精神機能の障害のこと。高齢者に特に多く、一般的な医療機関に入院した70歳以上の高齢者では、3分の1がせん妄を経験。その半分は入院時点でせん妄となり、残りの半分は入院中にせん妄を発症するといわれています。何かひと...
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会話ができない認知症晩期の患者で注意するポイントは?
認知症の進行度を評価するスケール「FAST」によると、晩期は発症から3~4年後に訪れるとされています。晩期になると、言語機能が低下するため話せる言葉は数単語程度しかありません。同時に運動機能も低下するので患者さんはだんだん歩けなくな...
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年を取ると睡眠の質が低下…認知症ではより強く現れがちになる
昔は朝まで熟睡できたのに、夜中に何度も目が覚めるようになった──。高齢の方から聞いたことはないでしょうか? 年を取ると、若い頃と比べて睡眠の質が低下します。 高齢者では中途覚醒回数(夜中に目が覚める回数)や覚醒時間が増加し、...
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嚙み合わせが悪いと認知症の発症リスクが高まるのは本当か?
「噛み合わせ」が正しい位置にあると、認知の原因物質となるアミロイドβが減少したとの研究が、岡山大学によって発表されました。しかし、これはラットを用いた研究なので、人間でもアミロイドβが減るとは言い切れません。ですが、「噛み合わせ」「噛...
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「BPSD」のひとつが幻覚や妄想 認知症の30~40%でみられる
「認知症の症状は、中核症状と行動心理症状に分類される」と、以前に紹介しました。行動心理症状は「BPSD」とも呼ばれます。 BPSDのひとつが、幻覚や妄想です。認知症の30~40%で何らかの幻覚や妄想がみられるという報告がありま...
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認知症になると人格が変わるのはなぜ… 家族ができる対処法とは
認知症の患者さんの症状として、物忘れや判断力の衰えのほかに「人格変化」があります。もともと穏やかな性格の人が急に暴言を吐いたり暴力を振るうようになったり、活動的だった人がひきこもりがちになるのが特徴です。家族からよく「人が変わっちゃ...
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「いつか」「どこに」「だれか」がわかりづらくなってくる
認知症の「認知機能障害(中核症状)」には、前回紹介した記憶障害のほか、見当識障害、失語、視空間認知障害、遂行機能障害などがあります。「アルツハイマーは初期に記憶障害が目立ちやすい」といったことはありますが、原因によらず、どの認知症で...
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「認知機能の低下」とは具体的にどんな能力が低下するのか?
認知症について書かれたものを読んでいると、「認知機能の低下」「認知機能の障害」という言葉が頻繁に出てくることでしょう。本連載でも毎回と言っていいほど登場しています。では、そもそも具体的にどういうことを指すのか?「記憶力が落ちる」くら...
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補聴器を検討している方に覚えておいてほしい3つのこと
これまでほぼ2年にわたり、本連載で補聴器の情報を届けてきました。 連載最後となる今回は、補聴器に関する「覚えておいてほしい3つのこと」を改めてお伝えしたいと思います。 それはまず「難聴は認知症の危険因子」であるという...