MCI(軽度認知障害)(2)日記を書くために辞書を引く毎日

公開日: 更新日:

 神奈川県横浜市内に住む藤原達夫さん(仮名・65歳、大手企業嘱託社員)は3年前、市内にある総合病院の脳神経外科で「MCI」と診断された。

 担当医からは「MCIは、頻繁に置き忘れ、捜しものをする。同じ話、同じ質問を繰り返す。慣れた作業に時間がかかる。趣味や人付き合いもおっくうになるといった症状があります」と説明された。

 藤原さんが認知機能障害を自覚したきっかけは、パソコンを起動させるための暗証番号が思い出せなくなったことだった。また、自転車で自宅から最寄りの駅に向かう途中、通い慣れた道順を間違う失敗もたびたびあった。

「この3年間で認知症が徐々に進行していると体感しています」(藤原さん)

 用心のために、銀行口座の暗証番号や自宅の住所や電話番号の「記憶」を、手帳に「記録」として残した。

 長女夫婦や近所に住む仲のいい友人にも、「MCI」と診断されたことを打ち明け、思い切って嘱託先の会社にも知らせたという。

 医師から、認知症進行の予防対策として、いろいろなアドバイスを受けた。そのひとつが料理教室だった。週に1回足を運び、仲間と会話を楽しみ、包丁を握った。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  2. 2

    阪神・佐藤輝明にライバル球団は戦々恐々…甲子園でのGG初受賞にこれだけの価値

  3. 3

    FNS歌謡祭“アイドルフェス化”の是非…FRUITS ZIPPER、CANDY TUNE登場も「特別感」はナゼなくなった?

  4. 4

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  5. 5

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋

  1. 6

    兵庫県・斎藤元彦知事らを待ち受ける検察審の壁…嫌疑不十分で不起訴も「一件落着」にはまだ早い

  2. 7

    カズレーザーは埼玉県立熊谷高校、二階堂ふみは都立八潮高校からそれぞれ同志社と慶応に進学

  3. 8

    日本の刑事裁判では被告人の尊厳が守られていない

  4. 9

    1試合で「勝利」と「セーブ」を同時達成 プロ野球でたった1度きり、永遠に破られない怪記録

  5. 10

    加速する「黒字リストラ」…早期・希望退職6年ぶり高水準、人手不足でも関係なし