認知症
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橋幸夫さんが発症した「一過性脳虚血発作」…認知症との関係は?
歌手の橋幸夫さん(82)が5月31日、脳梗塞の前兆とされる一過性脳虚血発作(TIA=ティー・アイ・エー)を発症し、自宅から緊急入院した。橋さんは昨年12月、中程度のアルツハイマー型認知症(アルツハイマー病)と診断されていた。 ...
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(28)実家に残された高齢猫4匹は東京へ連れて帰ることに決めた
だんだん私自身が精神的な疲れを感じるようになっていた中、もうひとつ急いで解決しなければならないことがあった。父がいなくなった無人の実家で、4匹の猫たちが生き延びていたのだ。 父の推定死亡日から発見されるまで約1週間。えさは食...
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親のおむつを選ぶうえで知っておくべきこと…親の気持ちを理解する
高齢の親から「パンツを買ってきてくれ」と頼まれたら、あなたは何を確認するだろう。サイズと好みの形、あとは色柄あたり? とりあえずはければいいよね的な感覚で選ぶことだろう。 では、おむつだったらどうするか。実はこれがとてつもな...
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(27)介護、家の管理、相次ぐ出資…すべてが私一人の肩に
年が明けてすぐ、実家で父がひっそりと亡くなっているのが見つかった。まさかの出来事だった。私は仕事の手を止めて東京から急ぎ実家に向かい、喪主を務めなければならなくなった。自分の生活がすべて止まった。 母の主治医から、当面父の死...
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「レビー小体型認知症」は初期から多彩な症状が現れる
脳の中にレビー小体という異常なタンパク質の塊が蓄積することで引き起こされるレビー小体型認知症。前回、レビー小体型では、アルツハイマー型の病変も併せ持っている認知症患者さんが多いと紹介しました。 レビー小体型は「通常型(もしく...
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(26)意地を張らず、父ともっときちんと話をしていれば
要介護度の通知が届いたら年末年始に帰省し、母が実家に戻って今後必要なケアが受けられるよう準備を進めたいと考えていたが、病院の手続きが遅れ、年内に通知は届かなかった。そして新年。何度電話をしても父が出ないことに不安を覚え、叔母に実家を...
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アルツハイマー型とレビー小体型どちらも発症するケースも
認知症のうち約7割と、最も大きな割合を占めるのがアルツハイマー型認知症です。次いで2番目に多いのが血管性認知症、3番目がレビー小体型認知症。疫学調査によっては、レビー小体型が血管性認知症を抜き去るほどの勢いです。これら3つは「3大認...
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(25)父はひとりで死んでいた…つながらない電話に胸騒ぎ
その年は寒い冬だった。コロナ禍ではあったが、私は母の要介護度の通知が届いたら、年末年始に帰省して母が実家に戻ってくる算段をつけようと考えていた。その準備を始めれば、何カ月経っても母が退院してこないことに苛立ち、怒ってばかりいる父も納...
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言葉によるコミュニケーションの訓練を担う「言語聴覚士」が重要なのはなぜか
リハビリ治療は、“監督”である医師を中心にチームで進めていくものです。 直接患者さんとリハビリ訓練を行うスタッフのうち、今回は「言語聴覚士(ST)」についてお話しします。 言語聴覚士は、病気やケガの後遺症によって、「...
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認知症を予防する…その布団干しこそが、立派な「運動」
認知症予防に運動を、とはよく言われることです。実際、少し汗をかく程度の有酸素運動は筋肉や関節の衰えを予防し、脳への刺激になりますが、「それはわかっているけど……」という方も多いでしょう。そんなみなさんへ、先日、患者さんから伺ったエピ...
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事故が心配…高齢な親の運転技術を安価に見極める方法
高齢ドライバーによる事故が大きく取り上げられるたび、親がいつまで車の運転を続けるのか不安を感じている人は多いはず。静かな田舎でのんびり運転しているとしても、うっかりミスで歩道や反対車線に入ったり、ブレーキとアクセルの踏み間違いで暴走...
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(24)言い合いになるのが嫌で父への連絡は必要最小限となっていた
いずれ訪れる母の退院に備えて、地域包括支援センターとのやりとりが続いていた。最良の選択肢として看護小規模多機能型居宅介護(看多機)という制度を教えてもらい、実家の近くにその施設があることも知った。 介護度によって利用できるサ...
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「復職支援」が作業療法士の重要な役割なのはなぜか
患者さんと精神的にも強く関わりながらリハビリを進める作業療法士(OT)は多くの役割を担っています。中でも手の機能回復を担当する“手のスペシャリスト”であると前回お話ししました。 手がきちんと動けばいろいろな作業ができるように...
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旅は「プラン」から「振り返り」までがワンセット…脳への刺激になる
GWにどこかへ行かれた方は、撮った写真、乗った列車や飛行機のチケット、行った場所の入場券の半券やパンフレットなど、取っておくことをお勧めします。旅行などのお出かけは、出かける前の計画を立てる段階から、戻ってきて旅路を振り返るまでがワ...
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帯状疱疹ワクチンで認知症リスク2割減 ネイチャー誌に発表された意外な研究結果に大きな反響
帯状疱疹のワクチンを接種した人は、認知症になる確率が2割下がることがわかりました。一見関係なさそうな2つの病気の意外な関わりに、大きな驚きと共に希望が広がっています。 まず帯状疱疹は、水ぼうそうの原因である水痘・帯状疱疹ウイ...
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指の動きが語る脳の衰え…手指機能と認知機能の関連性の研究報告
アルツハイマー病は、軽度の記憶障害から始まり、時間をかけて認知機能が低下します。近年の研究では、認知機能の低下が現れる前に、運動機能の低下を認めることが報告されています。特に、手指の細かい動きや精密さの低下は、アルツハイマー病の発症...
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気負わず入れる交流の輪…公園のラジオ体操への参加のススメ
本欄の担当者は時々、朝6時に都内の某公園に行き、ランニングをしているそうなんですが、最初に驚いたのは、人の多さ。特に、推定60代半ば以降、70歳代、80歳代の方が多いとのこと。 6時半くらいまでは数人で、あるいはお一人で、思...
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(23)何もできなくなった母…どうすれば自宅に戻せるのか
母の介護認定をめぐって、私は地域包括支援センターと何度も連絡を取り合っていた。入院中の母は、薬の調整が進んで精神状態が安定しつつあり、病院側からはそろそろ退院を考えてほしいと伝えられていた。しかし、認定の結果が出るまでは、次の一手を...
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若年性認知症(3)65歳以上の発症と比べて症状の進行が速い傾向
若年性認知症を続けて取り上げて、今回で3回目。引き続き、定年まで働くために知っておきたいことを紹介します。 認知症の治療は、薬物と非薬物の両輪で行います。一方に頼り切るより、両方の特性を生かした方が、認知症の進行を遅らせるこ...
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(22)今後どれくらいの費用が必要になるのか、見当もつかなかった
母が認知症専門医院の閉鎖病棟に移ってからしばらく経った。どう過ごしているのかまったく知る術もなかった。私は地域包括支援センターと連絡を取りながら、介護申請の準備を進めた。ケースワーカーからは、薬の調整も進み精神状態が落ち着いてきたこ...
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若年性認知症は早期発見、早期予防…「未病」の間に見つけ出し、発症を食い止める
65歳未満で発症する若年性認知症は、平均して50~51歳くらいで発症する方が多い。私の外来でも50歳前後に診断されたという患者さんが大半です。 ですから、治療の目標は、60歳の定年まで仕事を続けることとしています。仕事をして...
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(21)入院から3カ月…ようやく“会えた”母は表情を失っていた
母が認知症専門医院に入院してから、携帯電話はナースステーションで預かる形になっていた。電話をしても、看護師が気がついてくれなければつながらず、母と直接話すことはほとんどできなかった。 母の入院生活は、身近な人とほとんど接触す...
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よくある介護の悩み(7)徘徊を繰り返す場合はどう対処すればいい?
認知症の患者さんを自宅で介護されている方からよく聞かれる悩みに「徘徊」があります。認知症の周辺症状のひとつで、見当識障害や記憶障害などが原因で起こります。時刻、日付、場所、人物がわからなくなって、昼夜を問わずうろうろ歩き回り、そのま...
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若年性認知症の発症年齢は50歳前後が多い…「定年まで働く」が治療目標
今回から若年性認知症について、何回か連続してお話ししたいと思います。 若年性認知症は、認知症の中でも40歳代半ばから65歳未満で発症する場合を指します。発症年齢として一番多いのは50歳前後くらいでしょうか。働き盛りの年代で発...
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(20)そろそろ自分たちで…頼みの叔母から切り出された
母の認知症専門医院への入院後2カ月ほど経つ頃、父が庭で脚立から落下し、頭から血を流すという事件が起こった。軽傷だったというが、それを聞いてほっとできるわけもなかった。叔母たちは「お父さんも少しボケてきているんじゃないだろうか」と言う...
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医療介護とは実践哲学…認知症や脳卒中を予防して楽しく生きるためには?
「哲学」とは、生活のなかで疑問に感じたことや身の回りにある問題について、自分なりに問いかけ、考えを突き詰めていく学問のことです。ですから、私は医療介護とは、医学という科学を基盤に哲学を実践することだといつも感じています。 医療...
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仕事もなければ趣味もない…脳活性化のために何をすればいい?
仕事や趣味がある方は、認知症対策として、何歳になっても継続することを強くお勧めします。 今年80歳になる男性は、一年中ほぼ休みがない生活を送っています。早朝から昼過ぎまではビルの清掃のアルバイト。これに加え、週数回は夜、知人...
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(19)このままでは共倒れ…解決の糸口がまったく見えない
母が認知症であること、そして入院したことを受け入れられない父と、電話で話すたびに口論になった。やがて、私は父との連絡を避けるようになっていった。 ある、冷たい雨の降る冬の初め。仕事中に叔母から電話がかかってきた。実家の庭には...
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よくある介護の悩み(6)近ごろ食事をとらなくなってきました…どうすればいいでしょうか?
自宅で介護されているご家族から、食事をとらなくなってしまって心配だという声もよく寄せられます。食べることに関しては、治療やリハビリによって回復するケースと、回復しないケースがあるので、まずは原因を正確に評価しなければなりません。 ...
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料理ができない父親が1人暮らしに…食事問題をどうする?
東日本に住む50代男性は先日、お母さまを急に亡くされました。明るく、活動的で、新しいことへのチャレンジに意欲的だったお母さまだったそうで、まさか別れの日が来るとは、家族みんな想像していませんでした。いまだに信じられず、電話をすると「...