著者のコラム一覧
増田俊也小説家

1965年、愛知県生まれ。小説家。北海道大学中退。中日新聞社時代の2006年「シャトゥーン ヒグマの森」でこのミステリーがすごい!大賞優秀賞を受賞してデビュー。12年「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」で大宅壮一賞と新潮ドキュメント賞をダブル受賞。3月に上梓した「警察官の心臓」(講談社)が発売中。現在、拓殖大学客員教授。

萩本欽一〈34〉私の“運”論 大谷翔平のカネを使い込んだ通訳に「小さな声で『ありがとう』」

公開日: 更新日:

 作家増田俊也氏による連載、各界レジェンドの生涯を聞きながら一代記を紡ぐ口述クロニクル。待望の第2弾は、「視聴率100%男」として昭和のテレビ界を席巻したコメディアンの萩本欽一氏です。

  ◇  ◇  ◇

増田「真屋順子さんが運を連れてきて欽どこが当たったんですね」

萩本「そう。順子さんのお母さんの幸せだよ。あと順子さん自身もそれまでじっと耐えてた悲しい物語を何も言わずに、あのペロンとした顔でさ。それで順子さんは最後まで笑いに染まらなかった。それが視聴者からしたら面白かったんです」

増田「そうなんですか」

萩本「ひとつだけ順子さんに言ったことがあるんですよ。『順子さん、笑い顔を客席に見せないでね』って。テレビって今、出演者がみんな平気で笑ってるでしょ、ステージでアハハって。私の浅草の修行時代はね、笑ったら怒られた。『笑うのは客席で、舞台にいるおまえが笑うバカいるか』って怒鳴られたの。笑うと怒られるんで、後ろ向いて肩だけ揺らしてたの。実はね、肩だけ揺らす方がね、お客さんってね、余計笑えるんですよ。お客さんより先に笑っちゃうとお客さん笑わないんですよ。なるほどなって。そういう修行をしてきたから。順子さんがまたいいんですよ。俺が面白いこと言ってると肩揺らしてるの。それがね、順子さんの品の良さを出してくれた。ありがたい方です。私はだから、欽どこはもう順子さんあっての番組」

増田「欽どこが始まる前に順子さんに、そう言われたんですね」

萩本「はい。笑うのは客席や視聴者で、舞台にいる我々が笑っちゃいけないよって。私は浅草で修行してきたことをなるべく守りたいんで、そういうアドバイスした。そしたらそれが当たった。中身は大したことなかったと思うけど、笑い顔を見せない順子さん、後ろ向いてこうやってクックククってやるからね。あの笑いっていうのは欽どこだけでしょ。これも含めて他にはないっていうのがいくつも生まれてくればそれは視聴率30%いきますよ。それは私がやったことではない」

増田「そういう萩本さんから見て、今のテレビっていうのはどういうふうにご覧になられてますか? 例えばバラエティー番組とか」

萩本「今のテレビって、バラエティーとかね、見てるっていう言葉は通用しないと思うんです。ときどきのぞきます、ぐらいですね」

増田「なるほど」

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    バナナマン日村が簡単に復帰できそうにない「もう1つの理由」…レギュラー11本抱える人気者のジレンマ

  2. 2

    強いショック状態の清水アキラに心配の声…子供を亡くした神田正輝らもたどった遺族ケアの道のり

  3. 3

    石原プロ「炊き出しの流儀」 被災地一番乗りがエラいわけではない

  4. 4

    横浜流星「BL作品興味なし」発言に滲むプロ意識 「べらぼう」後初の民放連ドラ主演で注目

  5. 5

    三男・清水良太郎さん急死で清水アキラ沈痛…8年越しの「父子再共演」が始まったばかりだった

  1. 6

    “DAIGOの妻”となった北川景子が「家売るオンナ」で本格復帰

  2. 7

    『ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス』「5人目」の見事なギターに出し抜かれたジョージの悲哀

  3. 8

    「VIVANT」1強ムードの陰で…蒼井優「Tシャツが乾くまで」が呼び覚ます"連ドラ本来の快感"

  4. 9

    趣里が裏切り不倫報道の夫・三山凌輝に三くだり半を突きつける“Xデー”…伊藤蘭と水谷豊もついに離婚要求か

  5. 10

    橋本愛の“熊本お見舞いメッセージ”まで批判する声に違和感…思い出される杉良太郎「偽善でもいい」の信念

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    【2026夏の甲子園】初戦で「勝つ高校」「負ける高校」完全予想!横浜vs沖縄尚学の超好カードは…

  2. 2

    支持率急落の高市政権がV字回復画策 内閣改造でクビ切り不可避な“ポンコツ”5大臣の名前

  3. 3

    黒川紀章設計「戦没者慰霊塔」も丹下健三設計「香川県立体育館」も解体…財政難で維持できなくなった名建築

  4. 4

    2026夏の甲子園「優勝校はココだ!」 本紙と専門家が徹底予想、“対抗”含む5校を紹介

  5. 5

    球宴を見ていて腹が立った 「祭り」と「遊び」をはき違えるな

  1. 6

    バナナマン日村が簡単に復帰できそうにない「もう1つの理由」…レギュラー11本抱える人気者のジレンマ

  2. 7

    「愛子天皇」潰しは賛成で、消費税減税はなぜ反対? 玉木国民民主の「公約違反」がネットで袋叩き

  3. 8

    トランプ大統領もそっぽ 表面化した日米包囲網「反高市」うねり急拡大…2大後ろ盾が剥落

  4. 9

    三男・清水良太郎さん急死で清水アキラ沈痛…8年越しの「父子再共演」が始まったばかりだった

  5. 10

    「朝」「彦」「憲」「恒」…旧宮家に残る皇族意識 養子制度で改めて注目された「通字」