家族に迷惑かけたくない…そう考えている認知症の親への対応は?

公開日: 更新日:

 認知症予備群とされる軽度認知障害(MCI)や認知症初期の段階で認知機能の低下を自覚し、「将来、家族に迷惑をかけるのではないか」と不安を抱えている高齢の方は少なくありません。なかでもアルツハイマー型認知症(AD)の方によく見られ、発症前から「何事も自分一人で解決する」といった考えを持っている人ほど周囲に頼ることができず、自身の認知症も受け入れにくいのです。ADの特徴的な症状のひとつに挙げられる「取り繕い」も、認知症を受け入れられないことから生じています。

 当院に通院している80歳のADの患者さんは、MCIと診断された後、「一番なりたくない病気になってしまった」「悪くなったら息子に迷惑をかけるから早く死にたい」と、自信を失って抑うつ状態になってしまいました。介護する家族に対しての申し訳なさと、何もわからなくなることへの恐怖を感じていたためです。

 本人の不安な気持ちを改善するには、家族は「そばにいるから心配ないよ」、仕事をしていた人であれば「これまで家族のために働いてくれたから、これからはゆっくりして過ごしてね」など安心できる声掛けを行ってください。男性の方ならば、買い物に行った際に重い荷物を任せる、女性ならば一緒に家事を行うなど役割を担ってもらうのも「認知症を発症しても自分は家族の力になれる」と本人が実感し自信につながるでしょう。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  4. 4

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  5. 5

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  3. 8

    星野源「ガッキーとの夜の幸せタイム」告白で注目される“デマ騒動”&体調不良説との「因果関係」

  4. 9

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  5. 10

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも