認知症
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認知症の母を可能な限り自宅で過ごさせてあげたいと思っていたけれど…
ご主人を在宅で看取った経験がある95歳の女性。認知症を患っており、さらに胃がんの末期。「母は最期まで自宅で過ごすことを希望するだろう」と、息子さん、娘さんが在宅医療を選択されました。 「ご加減いかがですか」(私) 「ベッ...
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「肥満+握力低下」で認知症のリスクが高くなる
年が明けて約2週間。年末年始に増えた体重をまだ戻せていないという人もいるのではないでしょうか? 周知の通り、中年以降になると代謝が落ち、痩せにくくなります。1~2キロの体重増であっても、その都度解消しなければ、“チリも積もれ...
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現在、日本で承認されている認知症の治療薬は3種類ある
前回お話ししたように、現時点で認知症を根本的に治癒させるクスリはありません。認知症に対する薬物療法の目的は「症状の進行を遅らせる」ことです。クスリを使って認知症の進行を遅らせつつ、リハビリテーションなどの非薬物療法を同時に行っていく...
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モニターを見るだけで認知症かどうかわかる 新検査システムが保険適用に
モニターを見るだけで認知症かどうかを診断できる認知症検査システムのアプリ「ミレボ」が注目を集めている。開発に関わった大阪大学大学院医学系研究科臨床遺伝子治療学の武田朱公准教授が、日本抗加齢医学会主催のセミナーで講演を行った。 ...
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地域で実施されている「認知症予防教室」ってなんだ?
総務省統計局によると、今年9月時点でのわが国の総人口のうち、高齢者が占める割合は29.1%で、過去最多を記録したとのことです。近年の超高齢社会への突入に伴い、各市区町村ではさまざまな地域支援事業が行われています。 そのひとつ...
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中性脂肪が多い方が認知症になりにくい? 神経医学専門誌で報告
コレステロールと中性脂肪はどちらも血液中に存在する脂質で、体で重要な役割を果たしている成分ですが、その過剰はいずれも動脈硬化を進行させ、心筋梗塞や脳卒中などの病気のリスクを高めるといわれています。実際に心筋梗塞を起こした人が、薬でコ...
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年末年始の帰省では親・子・孫で大いに思い出を語り合おう
年末年始、帰省で久しぶりに親御さんと会うという方もいるでしょう。大いに会話を楽しんでもらいたいと思います。 年を取ると、同じ話を繰り返してしまいがち。「その話、さっきも聞いた」「同じ内容ばかりがぐるぐる回っている」など、親御...
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認知症の親が施設入居を拒否するのはなぜか…具体的な促し方は?
「認知症と診断されたプライドの高い父が、施設への入居をかたくなに嫌がっています。どうすればいいでしょうか」──。ご家族から相談を受ける機会の多い質問のひとつに、施設入居の拒否があります。 認知症が軽度の場合は認知機能が保たれて...
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「マンガ ぼけ日和」著者の矢部太郎さん「印象に残ったのは認知症が老化の一環であるということ」
「マンガ ぼけ日和」(かんき出版)は、「大家さんと僕」で第22回手塚治虫文化賞短編賞を受賞した芸人、矢部太郎さんの初の単行本書き下ろし作品。認知症専門医である長谷川嘉哉医師の「ボケ日和」を漫画化した。認知症の患者と家族の日常が描かれて...
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若年性も老年性も「私は絶対にならない」とは言い切れない
厚労省の推計では、認知症患者は2025年には700万人を超えるとされています。これは、65歳以上の高齢者の5人に1人が該当するということ。「自分が発症する」「患者を身内に抱える」のどちらにおいても、身近な病気と言えるでしょう。 ...
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認知症の親が子供っぽい言動や行動をするのはなぜなのか
認知症の親が人形遊びに夢中になったり、ご飯を食べさせてとせがんでくる--。介護する家族からそういった相談を受ける機会が少なくありません。これは「退行」と呼ばれる現象で、子供のような行動や言動が現れるのが特徴です。たとえば、目に入った...
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若年性アルツハイマー病を発症しても、対策を講じることで定年退職まで仕事を継続できる
65歳未満で発症する若年性アルツハイマー病。映画やドラマの影響からか、発症すると症状が急激に進行し、仕事もできなくなる……。そんな印象を抱いている方は多いかもしれません。65歳以上で発症するアルツハイマー病と同様、いえ、それ以上に、...
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認知機能の低下を防ぐ「知的活動」の具体的な方法は?
認知機能の維持や向上には運動が有効だとご存じの方は多いでしょう。ただ、効果をより高めるには、併せて記憶力、言語能力、判断力、計算などの「知的活動」を行う必要があります。 2013年、米テキサス大学ダラス校の研究者らによると、...
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飲み過ぎはよくないけれど…1週間にビール中瓶6本までなら認知症のリスクが低下
今年は、コロナ禍の自粛生活が終わり、いつもの年末ムードが漂っています。読者の中には、仲間との忘年会や新年会などを楽しみにされている方も、少なくないでしょう。今回は、お酒について紹介します。 私もワインが好きですから、アルコー...
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1999年に若年性アルツハイマー病の専門外来を開いた理由
私が若年性アルツハイマー病の専門外来を開いたのは1999年。前職場の順天堂大学医学部付属順天堂医院でのこと。 認知症全般を診る「物忘れ外来」「認知症外来」「メモリークリニック」は、大学病院や総合病院、地域の診療所で設けるとこ...
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認知症の親と旅行する際に気を付けるべきポイントは?…準備しておくこと
認知症を発症した親と一緒に旅行に行きたい──。そう考えるご家族の方は多いのではないでしょうか。認知症が軽度の方であれば旅行に来たと認識でき、かつ発症前から旅行が趣味であれば、よい気晴らしになるでしょう。 一方で、認知症が中等...
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酔っぱらって転倒…「異常」はすぐに出てくるとは限らない
今年も残すところ1カ月と少しになりました。コロナで忘年会をここ数年自粛していた方も、今年はかつてと同じように、と計画しているかもしれませんね。 大人ですから、お酒を飲んでもタガを外さず楽しんで欲しいですが、なかなかそうはいか...
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糖尿病の人だけが発症する「糖尿病性認知症」とはどんな病気?
糖尿病患者さんにだけ発症する「糖尿病性認知症」をご存じでしょうか。これまで糖尿病が認知症の発症リスクになることは知られていましたが、約15年前に糖尿病だけが原因になる認知症があると明らかになりました。 症状は一般的なアルツハ...
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糖尿病の治療を止めると認知症が増える? 治療薬に予防の可能性
糖尿病は認知症のリスクであることが知られています。糖尿病のコントロールが改善することは、認知症の予防にもつながるのです。ただ、糖尿病の治療薬にも多くの種類があり、その中には重症の低血糖を起こして、脳にダメージを与える可能性のある薬も...
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「聞こえ」の悪さは、孤立・うつ病・認知症のリスクを高める
子どもたちが聞こえると言っている「20代」の音が、私には聞こえない──。2年前、こんなツイッター(現X)への投稿がきっかけで、一気に注目が集まったのが、「聞こえ」をチェックするパナソニックのウェブサイトです。 だれしも加齢に...
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家族に迷惑かけたくない…そう考えている認知症の親への対応は?
認知症予備群とされる軽度認知障害(MCI)や認知症初期の段階で認知機能の低下を自覚し、「将来、家族に迷惑をかけるのではないか」と不安を抱えている高齢の方は少なくありません。なかでもアルツハイマー型認知症(AD)の方によく見られ、発症...
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「社会参加」や「余暇活動」が高齢者の認知機能低下を抑制する
健脳カフェは、認知症予防に役立つプログラムをいくつも用意している点に加え、さまざまな人とコミュニケーションを取れる場所としても有益だと考えています。認知機能低下が気になる参加者、上智大学で心理学を学ぶ学生さん、カフェの趣旨に賛同する...
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若年性認知症の介護者が高齢の親の場合に生じる問題は?
若年性アルツハイマー型認知症を発症した場合、介護者が高齢の親になるケースがあります。65歳未満で発症したものを若年性認知症と呼び、発症年齢の平均は51.3歳と推測されています。近年は生涯未婚率の上昇に伴い独身の方が増えたのも、介護者...
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認知症予防プログラム…歌いながら左手と右手でそれぞれ別の動きをする
ある日の「健脳カフェ」の一場面です。 「左手はイチ、ニ、サンで三角形を描いてくださいね。小さくてもいいですよ。そして右手はイチ、ニ、イチ、ニと(上下に)動かしてくださいね。どちらか一方ずつだとできちゃうんですけど、両方一緒にや...
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言葉の意味が分からなくなる「意味性認知症」とは? 側頭葉の萎縮で発症
認知症といえばアルツハイマー型認知症を思い浮かべる方が多いですが、65歳未満に見られやすい「意味性認知症」があります。2015年に指定難病に認定された前頭側頭葉変性症のひとつで、主に側頭葉の萎縮によって発症します。 左側頭葉...
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「脂質異常症」放置するとどうなる? 認知症の発症にも関与
「血糖値や血圧が高いと『治療が必要なのかな』と思うんですが、コレステロールが高いっていうのは、いまいちピンとこないんです」 こんなふうに言うのは、55歳のYさん。 コレステロールが高い場合に診断されるのが、脂質異常症。...
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アルツハイマー病治療薬「レカネマブ」はまだ推奨できない メディアの称賛一色に違和感
9月25日、エーザイが開発したアルツハイマー病治療薬レカネマブ(商品名レケンビ)が承認された。岸田首相はその活用に向けて「必要な検査体制や医療提供体制の整備の検討を進めてほしい」と指示し、メディアも称賛一色だ。 私は、このよ...
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認知症の行方不明者が増加中…どう対応すればいいのか?
認知症の方の行方不明件数が年々増加しているのはご存じでしょうか。警察庁によると、2022年の認知症による行方不明件数は1万8709人と過去最多を記録し、統計を開始した12年と比較して倍増しています。増加の背景には、近隣住民とのつなが...
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認知症予防にアミノ酸? 高齢医療専門誌に日本の研究報告が掲載
急速な高齢化に伴い、先進諸国では認知症を患う人の数が増加しています。世界保健機関の推計によれば、全世界で約5000万人が認知症を患っており、2050年までに約3倍に増加すると予想されています。 認知機能の低下は、睡眠時間や食...
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「昼食の時間が遅れて…」で低血糖 生活の変化に薬は対応できない
私たちの体では、細胞が血液中の糖(ブドウ糖)を絶えず取り込み、エネルギーに変えています。その取り込み作業に必要なのがインスリンで、インスリンの量や作用が不足すると血液中の糖が過剰になります。高血糖が続く病気が糖尿病です。 そ...