週間読書日記
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石原壮一郎(コラムニスト)
11月×日 長年、大人の人間関係やマナーをテーマに、駄文を書き続けています。このところ力を込めて考察しているのが「失礼」について。どんな言動が失礼に当たるのか、失礼という感情はどこから生まれてくるのか…
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川瀬七緒(作家)
11月×日 新型ウィルスが猛威をふるっていた8月。連日、絶望的な感染者数が伝えられているさなか、私はブライアン・インズ著「世界の幽霊出現録」(大島聡子訳 日経ナショナルジオグラフィック社 2420円)…
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安倍龍太郎(作家)
10月×日 某社のweb配信企画で澤田瞳子さんと対談する。澤田さんは「星落ちて、なお」(文藝春秋 1925円)という河鍋暁斎の娘とよ(画名暁翠)を主人公とした小説で、直木賞を受賞されたばかりである。 …
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梶よう子(作家)
10月×日 近頃、あれやこれやで疲弊している。感染症の蔓延、生活困窮、自死増加。民草の声も届かず、政治も暮らしも人の心もぐだぐだ。なんて、生きづらい世の中だ! といったところで自助努力を強いられる。な…
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森沢明夫(作家)
10月×日 新連載の「ロールキャベツ」という小説を書いている。メインのキャラクターは、男女5人の大学生たちで、彼らは「チェアリング」というレジャーを愉しみつつ人生の苦難を乗り越え、成長し、各々の未来を…
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青山美智子(作家)
10月×日 整体通いを始めて1ヵ月になる。屈伸をすると膝が痛むので駆け込んだのが最初だった。診察の結果、「足の裏のアーチが高い」「股関節が固い」「筋肉が正しく使われていない」などなど、ダメ出しの数々。…
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森朗(気象予報士)
9月×日 2年連続でどこにも行けない夏だったが、この不順な天気では旅行できたとしても楽しめなかっただろう。せめて本で旅行気分を、と手に取ったのが菅家洋子著「降りながら、照る場所へ 沖縄・祈りの地を歩く…
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富樫倫太郎(作家)
9月×日 コロナ禍の毎日で、楽しみな話題が大谷翔平君と藤井聡太君の活躍くらいというのは淋しい。テレワークが増え、腰痛が悪化したり、ストレスが溜まっている人も周りに増えている。 元々が出不精で、…
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志川節子(作家)
9月×日 野村進著「出雲世界紀行 生きているアジア、神々の祝祭」(新潮社 781円)が手許に届く。文庫解説を書かせていただいたのは、本書が初めて。 我が出身地、島根県浜田市は石見神楽の盛んなと…
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下村敦史(作家)
8月×日 自身の新刊「アルテミスの涙」(小学館)と文庫化「絶声」(集英社)の再校ゲラを仕上げる。アンソロジー用の短編を2編書き上げ、KADOKAWA、徳間書店、PHP研究所でそれぞれ連載中の原稿を何と…
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永井義男(作家)
8月×日 C・キャシディーほか著「とんでもない死に方の科学」(梶山あゆみ訳 河出書房新社 1760円)はさまざまな死に方の思考実験で、似通った実例も紹介されている。 「潜水艇で深海に潜っていると…
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樺沢紫苑(精神科医・作家)
8月×日 今年は3月から7月までの4ヶ月間に、「精神科医が見つけた3つの幸福」(飛鳥新社)、「行動最適化大全」(KADOKAWA)など、4冊の本を出版し、上半期はかなり充実した時間をすごしました。 …
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黒木亮(作家)
8月×日 自宅から電車で35分ほどのピカデリー・サーカスにある日本食料品店に刺身を買いに行く。英国は1年4ヶ月ほど続いた行動規制の大半が7月19日にようやく解除され、息を吹き返したところだ。自宅の近所…
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山田昌弘(中央大学教授・作家)
7月×日 長く私の仕事を手伝ってくれている女性が、「山田先生、萩尾望都、好きですよね、面白い本出ましたよ、注文しておきますね」と言われ購入した萩尾望都著「一度きりの大泉の話」(河出書房新社 1980円…
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越谷オサム(作家)
7月×日 あまりの暑さにどうかしていたのだろう、そろそろ昼をという時間になって突如風呂場のタイル磨きを始める。狭くて風通しの悪い真夏の浴室の中、大汗をかきながらスポンジで床の黒ずみを一心不乱に擦り、一…
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赤神諒(作家・弁護士)
7月×日 今日も時間が足りなかった。法律と小説の二刀流を始めて4年、時間との戦いに明け暮れ、青息吐息。寝床で本を手に取る。髙橋洋一著「髙橋洋一式デジタル仕事術」(かや書房 1540円)。睡眠を削らず時…
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西田亮介(東工大准教授・情報社会学者)
7月×日 あまり知られていないが最近、インターネットや調査報道と関連するジャーナリズムの新しい賞がいくつも新設された。メディアの研究を専門にすることもあって複数の審査にかかわった。主催者に共通するのは…
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小路幸也(作家)
6月×日 そもそもが酒を飲まないし出不精な人間なのでここ10年以上は〈東京のホテルにいるか自宅にいるかどっちか〉という暮らしになっていた。なので、コロナ禍の中でもさほど暮らしに変化はないが、もう1年以…
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鹿島茂(仏文学者)
6月×日 主宰している無料閲覧サイト「ALL REVIEWS」の「友の会」はゲストや著者を招いて1冊の本について徹底討議するユーチューブ書評番組「月刊ALL REVIEWS」を月に2度配信しているのだ…
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坂爪真吾(一般社団法人 ホワイトハンズ代表理事)
6月×日 久しぶりに出張の仕事が入り、移動中の機内で読む本として、奥田祥子さんの新刊「捨てられる男たち 劣化した『男社会』の裏で起きていること」(SBクリエイティブ 990円)を買った。 奥田…