著者のコラム一覧
島田裕巳宗教学者、作家

1953年、東京都生まれ。東京大学文学部卒業。宗教学者、作家。現在、東京通信大学非常勤講師。「葬式は、要らない」「死に方の思想」「日本の新宗教」、「日本人にとって皇室とは何か」など著書多数。

皇室典範改正を動かした麻生太郎氏「藤原道長の血を引く」は本当か? 学術的な研究を紐解く

公開日: 更新日:

 今回の皇室典範改正で中心的な役割を果たした自民党の副総裁・麻生太郎氏は、平安時代の藤原道長にたとえられることが多くなった。旧宮家からの養子が可能になったことで、実の妹である三笠宮寛仁妃家の信子妃や、姪である三笠宮家の彬子女王が養親先となり、麻生氏の血筋を引いた天皇が将来生まれる可能性が出てきたからである。

 麻生氏はもともと実業家で、福岡県飯塚市を中心として多くの企業を抱える麻生グループの出身である。麻生グループのホームページを見てみると、なんと麻生家は藤原氏の祖である藤原鎌足の血筋を引いていると書かれている。ただ、麻生家の菩提寺が焼けてしまったので、証拠となる過去帳などは残っていないという。

 これだとよくある話で、到底信じられないが、麻生家の系譜をたどってみると、まんざら嘘とは言えないことがわかってくる。

 まず、筑前(今の福岡県)の麻生氏のルーツは下野国(今の栃木県)一帯を治めていた宇都宮氏に行きつく。鎌倉時代の初期、宇都宮朝綱の猶子(養子のような仮の親子関係)となった宇都宮重業は、幕府を開いた源頼朝から筑前の遠賀郡(現在の北九州市遠賀郡周辺)の地頭職に任じられ、九州へ下向した。その子孫が遠賀郡にある麻生郷に花尾城を築いて定着し、その地名をとって麻生氏を名乗るようになった。これで麻生氏と宇都宮氏が結びつく。

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