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「dele ディーリー」本多孝好氏

 今や自分の分身ともいうべきスマホやパソコン。そこには個人のプライバシーが詰まっているが、自分が死んだ後、家族や他人の目にさらされるとしたらどうするだろうか?

 本書は、そんな死後の記録<データ>をめぐる連作ミステリー。タイトルのdeleとは、校正用語で削除を意味する。

「私はパソコンで小説を書いているのですが、作品に使わなかったフレーズもそのまま残しているんですね。小説はある程度覚悟をして世に出すのでいいんですけど、それ以前の言葉は生身に近いものだから、誰にも見られたくないんです。とはいえ、自分が死んだらきっと家族は見るだろう、と(笑い)。そのとき、見せない方法はないだろうかと思ったのが執筆のキッカケです」

 坂上圭司が所長を務める「dele.life」は、死後、誰にも見られたくないデータを依頼人に代わってデジタルデバイスから削除する業務を請け負っている。依頼人が設定した時間を超えてパソコンやスマホが操作されなければ、圭司のノートパソコンに信号が届く。3カ月前に雇われた真柴祐太郎の仕事は、車いすの圭司に代わって依頼者の死亡確認をすることだった。しかし、データ削除に至る過程で、2人は図らずも依頼人の人生や秘密に触れていくことになる。

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