「発達障害」岩波明氏

公開日: 更新日:

 2005年に発達障害者支援法が施行され、人気モデルの栗原類やパリス・ヒルトンが発達障害だと公表したこともあり、発達障害がメディアで取り上げられることが増えている。半面、誤解や誤診も多い。

「空気が読めなかったり、同じ失敗を繰り返したりする身の回りの“困った人たち”をそれだけで発達障害ではないかと誤解したり、専門家でも社会を震撼させた重大な殺人犯を一面だけみて発達障害だと誤診しているケースもあるんです」

 本書は、発達障害の臨床研究第一人者の著者による発達障害の解説書。多くの事例を紹介しながら、周りの対処法や最先端の治療法を紹介している。

 発達障害という言葉が独り歩きしているため、ひとつの疾患名のように思われているが、ASD(自閉症スペクトラム障害)やADHD(注意欠如多動性障害)などの疾患の総称である。

「アスペルガー症候群はASDの中の軽い疾患、自閉症はASDの中の重い疾患のことなんです。広い意味では発達障害には知的能力障害(精神遅滞)やコミュニケーション障害も含まれます。これらを合併している患者もいるので誤解されやすく、専門家でも診断を誤ってしまうんですね」

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    3Aでもボロボロ…藤浪晋太郎の活路を開くのは阪神復帰か? 日本ハム、オリックス移籍か

    3Aでもボロボロ…藤浪晋太郎の活路を開くのは阪神復帰か? 日本ハム、オリックス移籍か

  2. 2
    本来は「9月左翼構想」だが…大谷が打てば打つほど手術明けの外野守備は前倒しの気配

    本来は「9月左翼構想」だが…大谷が打てば打つほど手術明けの外野守備は前倒しの気配

  3. 3
    訪日客狙い“奥日光2泊3日400万円ツアー”のアテが外れた理由

    訪日客狙い“奥日光2泊3日400万円ツアー”のアテが外れた理由

  4. 4
    「いまだに、ああいうスタンスは何なのだろうと…」当時の山田GMが首をひねった図太い神経

    「いまだに、ああいうスタンスは何なのだろうと…」当時の山田GMが首をひねった図太い神経

  5. 5
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  1. 6
    真美子夫人も共同オーナーに? 大谷「25億円別荘購入」の次は女子プロバスケチーム買収か

    真美子夫人も共同オーナーに? 大谷「25億円別荘購入」の次は女子プロバスケチーム買収か

  2. 7
    大谷「DH独占」打ちまくり、週間MVPも…他の野手を休ませられないロバーツ監督のジレンマ

    大谷「DH独占」打ちまくり、週間MVPも…他の野手を休ませられないロバーツ監督のジレンマ

  3. 8
    3人兄妹の末っ子だから年上と遊ぶ機会が多く、彼らと遊ぶだけの体力もあった

    3人兄妹の末っ子だから年上と遊ぶ機会が多く、彼らと遊ぶだけの体力もあった

  4. 9
    東山紀之社長の鉄面皮「SMILE-UP.」の体質は旧態依然…進まぬ被害者補償に批判と失望

    東山紀之社長の鉄面皮「SMILE-UP.」の体質は旧態依然…進まぬ被害者補償に批判と失望

  5. 10
    当時日本ハムGMだった山田正雄氏が「この性格はプロでやる上でプラスになる」と確信した決定的瞬間

    当時日本ハムGMだった山田正雄氏が「この性格はプロでやる上でプラスになる」と確信した決定的瞬間