上皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」
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水際で患者の命を救う「救急隊」のレベルは確実に向上している
当連載では、これまで「救急救命」について何度も取り上げてきました。ある日突然、重大な病気や事故に見舞われたとき、患者さんの命を救う大きな役割を担っているのが救急隊員で、彼らなくして救急救命医療は成り…
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「チョコレート」が心臓と血管を守るのは本当なのか?
「チョコレート」には心臓や血管に有益な効果がある──。かねて広く知られているトピックです。チョコレートには、フラボノイドの一種であるカカオポリフェノール(カテキンやエピカテキンなど)が豊富に含まれてい…
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「ステロイド」を使っている患者の手術は細心の注意が必要
アレルギーは心臓手術にとって“障害”になると、以前にもお話ししました。花粉症、アトピー性皮膚炎、小児喘息の既往、食物アレルギー、金属アレルギーなど、何らかのアレルギーがある患者さんを手術する際は、通…
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血圧は測る姿勢で数値が変化…2つのパターンを把握して突然死を防ぐ
日本では、心臓にトラブルを引き起こす一番の要因は「高血圧」だと以前お話ししました。血圧が高くなるとポンプである心臓が全身に血液を送り込む際により大きな力が必要となり、それだけ負担がかかります。血管に…
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心房細動の新治療「パルスフィールドアブレーション」の期待と課題
高齢化が進む日本では、「心房細動」の患者さんが増えています。日本での患者数は2020年時点で推定100万人とされ、無症状の人を含めるとさらに多いといわれています。 心房細動は心臓のペースメー…
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「アレルギー」は心臓血管疾患の発症に大きく関わっている
潜在的な「食物アレルギー」があると、心臓血管疾患による死亡リスクがアップする──。米国のバージニア大学保健システムの研究で明らかになりました。 2005~06年の米国国民健康栄養調査と、アテ…
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相次ぐ医療事故…命を守るために患者が押さえておくべきポイント
昨年、カテーテル治療を受けた患者11人が死亡していたことが判明した神戸徳洲会病院で、今度は投薬ミスの可能性がある“死亡事故”が発覚しました。 報道によると今年1月19日、90代男性が心肺停止…
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「難聴」は動脈硬化性の心臓病とも深く関係している
音が聞こえにくくなる「難聴」は、高齢になると多く見られる耳の障害ですが、じつは心臓病とも深く関係しています。 富山大学の研究では、狭心症や心筋梗塞といった心臓血管疾患の既往のある高齢者は、難…
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「腰痛」の背後に命に関わる心臓病が隠れているケースがある
年をとって「腰痛」がひどくなった……そんな高齢の方がたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。高齢になると骨や筋肉が衰えて体を支えきれなくなったり、加齢とともに関節の軟骨がすり減るなどして、腰の関節…
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高齢者の再手術では術後の「リハビリ」と「食事」が重要
心臓手術の多くは“賞味期限”があります。そのために医療が進歩した現在では、50~70代で最初の手術を受けた人は、80歳前後で再手術が必要になるケースが少なくありません。高齢になると、体力や持病などに…
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人工弁を交換する高齢者の再手術では高い技術が求められる
心臓弁膜症の初回の手術で人工弁を使った弁置換術などを行った場合、高齢になってから「縫合不全」のトラブルが起こり、再手術が必要になるケースがあります。人工弁の経年劣化や、縫合部に使った組織の動脈硬化に…
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再手術でリスクになる「心房の拡大」は縫い縮めておけば回避できる
これまで、高齢者の心臓の再手術における“ハードル”についてお話ししてきましたが、もうひとつ大きなリスクになるのが心臓の「拡大」や「肥大」です。 そもそも心臓は、「大きい」こと自体がリスクにな…
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高齢者の再手術では「仮性動脈瘤」を処置するケースが多い
近年、主に担当している高齢者の再手術では、前回お話しした癒着のほかにも難度をアップさせるリスクがあります。「仮性動脈瘤」(偽性動脈瘤)と呼ばれる病態です。 動脈硬化が主な原因で生じる真性動脈…
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高齢者の再手術は初回からの期間が短いと「癒着剥離」の難度が上がる
2020年にいわゆる定年で主任教授を辞し、大学の理事兼特任教授となってから、およそ3年半がたちました。かつてに比べると件数は減りましたが、いまも病院で現役の外科医として手術を続けています。このところ…
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心臓病のリスクをアップさせる「超加工食品」について考える
食事・食品と心血管疾患の関係については、これまでも世界中でさまざまな研究が行われています。そうした中で、近年よく目にするのは「超加工食品」というものです。 保存料、人工的なうまみ成分、油脂と…
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「塩分」は心臓の健康にとってやはりマイナスといえる
近年、「塩分(ナトリウム)」と心臓血管疾患の関係についてさまざまな議論が交わされています。WHO(世界保健機関)は推奨する1日の塩分摂取量を5グラム未満としていて、米国では5.8グラム未満(高血圧患…
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冬の朝のウオーキングは心臓が危ない…リスク因子が揃っている
本格的な冬が到来し、全国的に冷え込みも厳しくなってきました。 基本的に「寒さ」は心臓にとって大敵です。気温が低い環境では、人間は血管を縮めて血流を減らし、熱を体外へ逃がさないようにします。血…
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収入が低くなると心臓病リスクが高くなる…理由はいくつもある
近年、「収入」と心臓病の関係に関する研究が盛んに行われています。すでに、高収入の人は、低収入の人と比べて平均余命が長いことが報告されていますし、収入が高い人は、低い人と比べて心筋梗塞や狭心症などの虚…
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新たな理論による「血流解析」は心臓治療を進歩させる可能性がある
近年、心臓病の診断・治療の領域で「血流」の研究が進んでいます。 心臓は効率よく全身に血液を送り出すために、心臓内でさまざまな回転する流れ=渦血流を発生させていることがわかっています。心臓にな…
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若い女性の心臓病は遺伝的な冠危険因子がリスクを上昇させる
心臓病は、男性と女性で発症数や症状に差が表れる病気だといわれています。年齢によるホルモンバランスの変化、日常における生活習慣の違いなどが関係していると考えられています。 今年5月にも、米国心…