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天野篤順天堂大学医学部心臓血管外科教授

1955年、埼玉県蓮田市生まれ。日本大学医学部卒業後、亀田総合病院(千葉県鴨川市)や新東京病院(千葉県松戸市)などで数多くの手術症例を重ね、02年に現職に就任。これまでに執刀した手術は6500例を超え、98%以上の成功率を収めている。12年2月、東京大学と順天堂大の合同チームで天皇陛下の冠動脈バイパス手術を執刀した。近著に「天職」(プレジデント社)、「100年を生きる 心臓との付き合い方」(講談社ビーシー)、「若さは心臓から築く 新型コロナ時代の100年人生の迎え方」(講談社ビーシー)がある。

「マイクロプラスチック」はなぜ心臓病のリスクになるのか

公開日: 更新日:

 マイクロプラスチックが心臓疾患のリスクをアップさせる──。昨年、医学誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」で発表された最新の研究です。われわれの体内に侵入して蓄積されたマイクロプラスチックが心臓にどう影響するのかを検証した初めての研究として注目されています。

 イタリアで行われたこの前向き研究によると、頚動脈のプラークを取り除く手術を受けたアテローム性動脈硬化の患者257人のうち、58.4%の人からポリエチレンを含むマイクロプラスチックが検出されました。さらにその257人を術後3年近く追跡した結果、頚動脈プラークにマイクロプラスチックが確認された人は、そうでなかった人に比べて、心筋梗塞脳卒中、死亡といった心血管イベントのリスクが4.53倍高いことがわかったといいます。

 研究者は「この結果は因果関係を証明するものではなく、喫煙や運動不足などの他の要因が健康状態を左右する可能性がある」としたうえで、「プラスチックが健康に及ぼす危険性に関する一連の研究に加わる重要な発見」と述べています。

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