著者のコラム一覧
島田裕巳宗教学者、作家

1953年、東京都生まれ。東京大学文学部卒業。宗教学者、作家。現在、東京通信大学非常勤講師。「葬式は、要らない」「死に方の思想」「日本の新宗教」、「日本人にとって皇室とは何か」など著書多数。

今も続く「皇室典範」は出来の悪い法律…男の側に不妊の原因を求める発想がなかった時代の産物だ

公開日: 更新日:

 今話題になり、国会での議論の中心にもなっている「皇室典範」は法律であり、堅苦しい法律用語が使われているので、一般の人たちは目にすることもないであろう。

 だが、それを読んでみると、いかにこの法律が「出来の悪い」かがわかる。

 たとえば、第8条には「皇嗣たる皇子を皇太子という。皇太子のないときは、皇嗣たる皇孫を皇太孫という」とある。

 皇嗣とは天皇の跡継ぎのことで、皇子は天皇の男の子供を意味する。それを皇太子とし、それに該当する人物がいない場合には、天皇の男の孫を皇太孫にするというのである。

 今、皇室には皇太子も皇太孫も不在である。皇位継承の資格では秋篠宮が第2位で悠仁親王が第3位だが、秋篠宮は天皇の弟であるため、「皇嗣」とされ、皇太子にはなっていない。悠仁親王になれば、その身分を示す言葉がない。逆に、愛子内親王は天皇の子供ではあっても、女であるため、皇太子にはなれない。

 皇太子不在という状況が生まれたのは、天皇に男の子供がいない事態が想定されていないからである。出来が悪いというのは、そのことをさす。

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