著者のコラム一覧
天野篤順天堂大学医学部心臓血管外科教授

1955年、埼玉県蓮田市生まれ。日本大学医学部卒業後、亀田総合病院(千葉県鴨川市)や新東京病院(千葉県松戸市)などで数多くの手術症例を重ね、02年に現職に就任。これまでに執刀した手術は6500例を超え、98%以上の成功率を収めている。12年2月、東京大学と順天堂大の合同チームで天皇陛下の冠動脈バイパス手術を執刀した。近著に「天職」(プレジデント社)、「100年を生きる 心臓との付き合い方」(講談社ビーシー)、「若さは心臓から築く 新型コロナ時代の100年人生の迎え方」(講談社ビーシー)がある。

飛行機の中で心臓を守るには持病や生活習慣病の管理が重要

公開日: 更新日:

 法務省出入国在留管理庁の速報値によると、2024年1年間の日本人出国者数は約1300万人で、2019年比では35.2%減でしたが、前年比では35.2%増でした。旅行業界はコロナ禍で大きな打撃を受けましたが、徐々に回復傾向にあり、今後はさらに海外旅行に出かける人が増えていくでしょう。

 心臓にトラブルを抱えていたり、心臓血管疾患リスクの高い人が、長時間に及ぶフライトで旅行する際の注意点については以前も取り上げましたが、あらためてお話しします。

 昨年、ドイツ航空宇宙センター・航空宇宙医学研究所の研究で、飛行機に搭乗している間、とりわけ長距離フライト中に飲酒すると、睡眠中に心臓に余計な負担がかかり、危険である可能性が明らかになりました。

 飛行機の機内は、地上に比べて気圧が低くなっています。1万メートルほど上空をフライトすると、地上では1.0の気圧が機内では0.8くらいまで低くなり、酸素濃度も70%程度にまで下がります。このため人間の血中酸素飽和度も低下し、低気圧性低酸素症の状態になります。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  2. 2

    農水省ゴリ押し「おこめ券」は完全失速…鈴木農相も「食料品全般に使える」とコメ高騰対策から逸脱の本末転倒

  3. 3

    TBS「ザ・ロイヤルファミリー」はロケ地巡礼も大盛り上がり

  4. 4

    維新の政権しがみつき戦略は破綻確実…定数削減を「改革のセンターピン」とイキった吉村代表ダサすぎる発言後退

  5. 5

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  1. 6

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  2. 7

    粗品「THE W」での“爆弾発言”が物議…「1秒も面白くなかった」「レベルの低い大会だった」「間違ったお笑い」

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  5. 10

    巨人阿部監督の“育成放棄宣言”に選手とファン絶望…ベテラン偏重、補強優先はもうウンザリ