(9)老化や視力障害は「夢」を変える? 夢が教えてくれる「脳の映像工場」の仕組み
「目が見ているから、私たちは世界を見ることができる」--。多くの人はそう考えている。しかし、最新の脳科学が明らかにしてきたのは、「見る」という行為は目だけで完成するものではないという事実である。
私たちが見ている世界は、目から入った情報を脳が解釈し、過去の経験や記憶を組み合わせながら作り上げたものだ。つまり脳は、カメラのように外界をそのまま記録しているのではなく、常に「世界の映像」を編集している。
この考え方を理解すると、「夢」と「視力障害による幻視」という、一見まったく異なる現象の共通点が見えてくる。
夢は、脳の中に蓄えられた記憶を材料に作られることがある。睡眠中、外界からの情報がほぼ遮断されるにもかかわらず、私たちは鮮明な風景や人物を見ることができる。それは脳の中に過去に経験した映像の情報が保存されているからだ。
では、目から入る情報が少なくなった場合、脳はどうするのだろうか。ハーバード大学医学部&ソルボンヌ大学医学部客員教授の根来秀行医師が言う。


















