(1)夜の過ごし方が老化を左右する…寝てる間に進む体の修復
老化は昼間でなく、夜の過ごし方で差がつくのかもしれない--。近年、睡眠医学や時間生物学の分野で、こうした考え方が注目されている。
老化は年齢、遺伝、食事、運動、ストレスなど多くの要因が関係する。最近では、夜間の睡眠や生活リズムの乱れが、体の修復機能や代謝機能に影響し、老化の進み方や病気の発症リスクと関連する可能性が明らかになってきた。
背景にあるのが、「生物学的年齢」という新しい老化研究の考え方。人間の老化は、年齢だけでは測れない。同じ60歳でも、体の状態には大きな差がある。そこで、DNAの働きの変化などを利用して、体が実際にどの程度老化しているかを推定する「エピジェネティック・クロック」などの研究が進んでいる。
近年の研究では、生物学的老化の進行は、睡眠時間の不足や睡眠の質の低下、不規則な睡眠パターンと関連する可能性が報告されている。
米国の大規模疫学研究でも、睡眠時間が短い人や睡眠の質が低い人では、体内の炎症反応や酸化ストレスに関わる指標が高く、細胞レベルの老化との関連が示されている。医学誌「Sleep」に掲載された研究では、睡眠の質の低下や睡眠リズムの乱れが、老化に関わる生物学的指標(バイオマーカー)の変化と関連する可能性が報告された。ハーバード大学医学部&ソルボンヌ大学医学部客員教授の根来秀行医師が言う。


















