著者のコラム一覧
坂田冬彦

1962年生まれ、神奈川県出身。役所勤めの後、憧れだった路線バス運転手に。60歳で定年退職。現在大型ショッピングセンターの施設警備員として奮闘中。

(8)拾得物にはさまざまなドラマがある

公開日: 更新日:

 母親と一緒に受け取りにきた5歳くらいの女の子は、「元・白いうさぎ(?)」と対面し、涙を流さんばかりに喜んでくれた。その女の子の姿を見て、我々もうれしくなった。だからぬいぐるみはどんなに汚れていても拾得物として扱うようにしている。エコバッグはきれいな物も汚れている物も一応拾得物として扱っている。

 拾得物の扱いは、とにかく細心の注意が必要だ。以前、帽子の問い合わせの電話で色やブランドがほぼ拾得物と一致していたため「あります」と答えた警備員がいた。ところが本人がインフォメーションセンターに来て帽子を確認すると違っていたというケースがあった。

 また、確認が不十分で間違えて他の人に渡してしまったというケースもあったため、我々は問い合わせの電話や直接来られたお客さまに対して詳しく落とした物の特徴を聞き取る。そのうえで、ほぼ間違いないと判断した場合でも「らしき物があります」と答えるようにしている。

 問い合わせの電話でもっとも注意を要するのが、銀行のカードやクレジットカードなどの問い合わせだ。問い合わせてきた本人の所有物であることが確認できれば問題はない。だが、電話の内容から、拾得物の特徴とかなり一致していても、所有者であることが完全に確認できない限り「問い合わせの物があります」とは決して答えないのが原則だ。もちろん「らしき物」がない場合は「今後、届けられる可能性もありますので登録しておきますか」と尋ねる。「お願いします」の場合には、名前、連絡先、落とした物の特徴について聞き取りをする。

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