頻発する自然災害と向き合う 貴重な資産を守る「生存戦略」
世間を見渡せば、「駅近」の圧倒的な利便性や「高級住宅街」のブランドに人々は群がる。しかし、その土地がかつての湿地や川の跡地であったり、タワーマンションが電気の遮断で「垂直の檻」と化したりするリスクを忘れてはならない。
享受している便利さは、一歩間違えば老後を直撃する「全停止リスク」と表裏一体なのだ。
だからこそ、不動産広告の幻想にお金を溶かすのはもうヤメにしよう。本当にやるべきことは、自らの足で道路のうねりや電柱の傾きといった大地の叫びを観察しつつ、災害時のサバイバル能力と家計を直結させておくことだ。
オール電化のスイッチに頼り、カセットコンロひとつ備えていない無防備なわが身で大地震を迎えれば、お湯すら沸かせない原始時代へ後戻りとなる。
自然の圧倒的なスケールの前では、小ざかしいマネープランや高級ブランドは一瞬で剥ぎ取られてしまう。
だからこそ、現実的な防衛策の第一歩は、生活インフラの多様化への見直し。同時に非常時の脳内シミュレーションである。それこそがシニアの資産と日常を守る生存戦略となる。
「このあたりはさ、もともと僕らの住処だったんだよ」
かつては江戸の海を謳歌していた魚の遠い子孫たちが、地上で右往左往する人間どもを見上げて冷ややかな泡を吹いていることだろう。

















