今、こんな「昭和の街」が大ブーム
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西口の「ぼるが」でもつ焼を食べながらかつての新宿に思いを馳せる
以前、渋谷が怖いと書いたら同世代から賛同を得た。新宿も怖いけど渋谷とは怖さの種類が違うという。アタシもその意見に賛成。それは新宿ならばアタシらの言葉がまだ通じると思えるからだろう。ま、年取った証拠か…
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五反田「大衆魚酒場 福松」マグロの目玉周りのゼラチン質もタレをかけたご飯もサイコー
アタシの主戦場が五反田界隈なので、どうしても取り上げる店が増えてしまう。ご容赦ください。 とはいっても、実際のところ五反田の進化は目を見張るものがあり、この街を歩くのはことのほか楽しいのです…
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白山「ジャズ喫茶映画館」にはシニアや外国人観光客が足を運ぶ
昭和の商店街には必ずといっていいほど本屋とレコード屋があった。 レコード屋にはアタシの大好きな映画音楽コーナーがあり、スペクタクルや西部劇など大概のジャンルが揃っていた。中学生の頃、買ってき…
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原宿「南国酒家」カニの卵入りふかひれスープと五目あんかけ焼きそばで蘇る家族の思い出
渋谷の大規模開発によって桜丘界隈は見る影もないほど変わってしまった。 昔、さくら坂の横を一本入ったところに中華料理の名店・南国酒家があった。昭和36年創業というからアタシと同い年。そのことを…
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渋谷・道玄坂を散策…24時間営業の居酒屋、道頓堀劇場の舞台に上がる賭けをした思い出
渋谷は100年に一度の大規模開発の真っただ中。ならば今のうちに若い頃よく飲み歩いたエリアを再訪しておこうと渋谷中央街へ。 井の頭線渋谷駅横の道玄坂に抜けるガード周辺はいまだに昼から飲める昭和…
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渋谷道玄坂「元祖くじら屋」鯨のフルコースでスタミナ補給
アタシは最近の渋谷を歩くのが怖い。いまだに工事をしているJRのホームが怖い。絶対に迷子になる地下道が怖い。スクランブル交差点が怖い。高い所から降りる長いエスカレーターが怖い。スマホを見ながら突進して…
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恵比寿「めし処こづち」で隣のオニイチャンに対抗して、肉豆腐卵かけご飯に赤星をグビ~
前回は恵比寿駅西口周辺の昭和的エリアを歩いたが、東口にも似た雰囲気の場所が残っている。 東口向かいの雑居ビルの1階には昔からの鮮魚店があり、その横のえびすストアは昭和35年から続くド昭和な商…
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恵比寿「たつや 駅前店」では80歳くらいの女子が生ビールのジョッキを両手で抱えて飲んでいる
昭和の面影を残す街を歩き、酒場や食堂を訪ねていると、どうしても東京の東側が中心になる。 おかげさまでこの連載も100回を数えたから、そろそろ西側に足を向けてもいいかもしれない。 そん…
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戸越銀座「キッチン TAIYO」で50年ぶりのブラウンソースの香りに感激
昭和40年代終わり頃の話。半ドンの土曜日、学校から腹ペコで帰宅すると、アタシの親父が「みんな帰って来たから五反田行こう」と家族6人で昼飯を食べに行くことがあった。 五反田には老舗の洋食屋が何…
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蒲田「天ぷら すずき」で生ビールとチューハイで、そして揚げたての天ぷらをかき込む至福
中くらいの大きさのトマトが4個で322円(税込み)。北海道産の玉ねぎとジャガイモがそれぞれ3個で106円(税込み)。これを聞いて男性読者諸氏はどう思われるか。 高いとか安いとかピンと来ないよ…
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明石「立ち呑み処 たなかや」たこの旨味は官能的な歯応え、出汁のよく出た汁は皿まで舐めた
仕事で7年ぶりの明石である。 アタシの興味はもっぱら海の幸でうまい酒を飲むこと。仕事そっちのけかい! と言われそうだがご勘弁を。目の前の瀬戸内の魚で一杯やること以上にこの世の幸せがあろうかっ…
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時代を超えた名古屋「大甚」の異空間…広い土間、古い大きなテーブル、小皿に盛られた肴
連載100回目というわけではないが、ぜひご登場願いたい店がある。100年酒場としておそらくそこは全国の居酒屋好きにとっては聖地のような店であり、かの太田和彦氏が日本一の居酒屋と太鼓判を押した店。それ…
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根津「車屋」で厚みがあり脂の乗った鯖の一本寿司を堪能
台風の影響で暑さが少し落ち着いたある日の昼下がり、上野納涼祭で風鈴の音を聞き、桃色の蓮の花を愛でようと不忍通り散歩としゃれこんだ。 いや、ほんとは根津あたりで一杯やるのが目的なんだけどね。浴…
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有楽町「ニユートーキヨービアホール」蘇る親父と「銀ブラ」の思い出
日曜日の夕刻になると競馬中継を見終わった親父が「ザギンで銀ブラでもするか」と、いきなり言い出すことがあった。 今思うとそれは競馬で勝ったときで、実に分かりやすい親父だったのだが……。母親はじ…
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四ツ木「大衆割烹 ゑびす」で脂の乗った、てんこ盛りのしめ鯖に感激
荒川の川面からの熱風を受け、八広から四ツ木橋を渡る。綾瀬川沿いを歩きながら中央環状線の巨大な高架を見上げると、その威容に恐怖すら覚えてしまう。 そして何千台という車が走っているその高架下には…
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立石「もつ焼き宇ち多゛」で聞こえる呪文のような「ハツ若焼きを味噌」「カシラ素焼きで酢」「アブラ少ないとこタレ」
10代の頃、なぎら健壱っていう変なフォークシンガーがいるってことはフォーク好きの同級生から聞いて知っていた。 が、当時は全く興味がなく、アタシにとっては映画「嗚呼!!花の応援団」に出てくる怪…
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人形町「喫茶去快生軒」赤いソファーに木のテーブルで蘇る高校時代の思い出
腹もできて英気を養ったアタシは、せっかくだから人形町を少し歩くことにした。 熱中症には気を付けなければと思いながらも、ゴルフのときはへっちゃらで棒切れを振り回す還暦男。甘酒横丁の路地裏を徘徊…
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人形町の老舗洋食店「来福亭」のメンチ付きオムライスと冷えたビールで整う
ディープな街のディープな店を巡っていると、気持ちが高ぶっているのでそのときは感じないが、帰宅したときに意外と消耗していることに気付く。 それは若い頃、東南アジアや西アフリカの辺境を何週間も旅…
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立石「倉井ストアー」売る総菜を店内で安く食べるスタイルに世界中から若者がやってくる
アタシが今歩いているこの界隈について書かれたある作家のエッセーに、地元の人の言葉が載っていた。 それは「ここは下町じゃなくて場末だよ」。場末とは、中心から少し離れた裏通りとでもいうべき場所。…
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青砥「もつ焼き 小江戸」は夕方5時前からカップル、地元の先輩、ママ友たちで大賑わい
新小岩で準備体操してから小岩に乗り込もうと思ったら、あえなく新小岩でチンボツ。小岩に出直したはいいが、残念ながらお目当ての店は春先に店じまい。隣の仕出屋のオヤジさんが「こないだ店閉めちゃったんだよ。…
