今、こんな「昭和の街」が大ブーム
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恵比寿「めし処こづち」で隣のオニイチャンに対抗して、肉豆腐卵かけご飯に赤星をグビ~
前回は恵比寿駅西口周辺の昭和的エリアを歩いたが、東口にも似た雰囲気の場所が残っている。 東口向かいの雑居ビルの1階には昔からの鮮魚店があり、その横のえびすストアは昭和35年から続くド昭和な商…
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恵比寿「たつや 駅前店」では80歳くらいの女子が生ビールのジョッキを両手で抱えて飲んでいる
昭和の面影を残す街を歩き、酒場や食堂を訪ねていると、どうしても東京の東側が中心になる。 おかげさまでこの連載も100回を数えたから、そろそろ西側に足を向けてもいいかもしれない。 そん…
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戸越銀座「キッチン TAIYO」で50年ぶりのブラウンソースの香りに感激
昭和40年代終わり頃の話。半ドンの土曜日、学校から腹ペコで帰宅すると、アタシの親父が「みんな帰って来たから五反田行こう」と家族6人で昼飯を食べに行くことがあった。 五反田には老舗の洋食屋が何…
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蒲田「天ぷら すずき」で生ビールとチューハイで、そして揚げたての天ぷらをかき込む至福
中くらいの大きさのトマトが4個で322円(税込み)。北海道産の玉ねぎとジャガイモがそれぞれ3個で106円(税込み)。これを聞いて男性読者諸氏はどう思われるか。 高いとか安いとかピンと来ないよ…
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明石「立ち呑み処 たなかや」たこの旨味は官能的な歯応え、出汁のよく出た汁は皿まで舐めた
仕事で7年ぶりの明石である。 アタシの興味はもっぱら海の幸でうまい酒を飲むこと。仕事そっちのけかい! と言われそうだがご勘弁を。目の前の瀬戸内の魚で一杯やること以上にこの世の幸せがあろうかっ…
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時代を超えた名古屋「大甚」の異空間…広い土間、古い大きなテーブル、小皿に盛られた肴
連載100回目というわけではないが、ぜひご登場願いたい店がある。100年酒場としておそらくそこは全国の居酒屋好きにとっては聖地のような店であり、かの太田和彦氏が日本一の居酒屋と太鼓判を押した店。それ…
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根津「車屋」で厚みがあり脂の乗った鯖の一本寿司を堪能
台風の影響で暑さが少し落ち着いたある日の昼下がり、上野納涼祭で風鈴の音を聞き、桃色の蓮の花を愛でようと不忍通り散歩としゃれこんだ。 いや、ほんとは根津あたりで一杯やるのが目的なんだけどね。浴…
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有楽町「ニユートーキヨービアホール」蘇る親父と「銀ブラ」の思い出
日曜日の夕刻になると競馬中継を見終わった親父が「ザギンで銀ブラでもするか」と、いきなり言い出すことがあった。 今思うとそれは競馬で勝ったときで、実に分かりやすい親父だったのだが……。母親はじ…
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四ツ木「大衆割烹 ゑびす」で脂の乗った、てんこ盛りのしめ鯖に感激
荒川の川面からの熱風を受け、八広から四ツ木橋を渡る。綾瀬川沿いを歩きながら中央環状線の巨大な高架を見上げると、その威容に恐怖すら覚えてしまう。 そして何千台という車が走っているその高架下には…
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立石「もつ焼き宇ち多゛」で聞こえる呪文のような「ハツ若焼きを味噌」「カシラ素焼きで酢」「アブラ少ないとこタレ」
10代の頃、なぎら健壱っていう変なフォークシンガーがいるってことはフォーク好きの同級生から聞いて知っていた。 が、当時は全く興味がなく、アタシにとっては映画「嗚呼!!花の応援団」に出てくる怪…
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人形町「喫茶去快生軒」赤いソファーに木のテーブルで蘇る高校時代の思い出
腹もできて英気を養ったアタシは、せっかくだから人形町を少し歩くことにした。 熱中症には気を付けなければと思いながらも、ゴルフのときはへっちゃらで棒切れを振り回す還暦男。甘酒横丁の路地裏を徘徊…
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人形町の老舗洋食店「来福亭」のメンチ付きオムライスと冷えたビールで整う
ディープな街のディープな店を巡っていると、気持ちが高ぶっているのでそのときは感じないが、帰宅したときに意外と消耗していることに気付く。 それは若い頃、東南アジアや西アフリカの辺境を何週間も旅…
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立石「倉井ストアー」売る総菜を店内で安く食べるスタイルに世界中から若者がやってくる
アタシが今歩いているこの界隈について書かれたある作家のエッセーに、地元の人の言葉が載っていた。 それは「ここは下町じゃなくて場末だよ」。場末とは、中心から少し離れた裏通りとでもいうべき場所。…
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青砥「もつ焼き 小江戸」は夕方5時前からカップル、地元の先輩、ママ友たちで大賑わい
新小岩で準備体操してから小岩に乗り込もうと思ったら、あえなく新小岩でチンボツ。小岩に出直したはいいが、残念ながらお目当ての店は春先に店じまい。隣の仕出屋のオヤジさんが「こないだ店閉めちゃったんだよ。…
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新小岩「大衆酒場 かど鈴」牛のハチノスを使った煮込みはトリッパのシチュー以上のコク
「ディープ」という言葉を意識したのはアメリカをひとり、バスで一周した若かりし頃だ。 そのときアタシが選んだルートはLAから南下し、ジョージア、ルイジアナを通るルート。理由は他でもない映画「イー…
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両国「下総屋食堂」93歳の2代目女将が語る戦争の思い出
アタシが幼い頃、興行の世界の人たちとつながりのあった父親がプロレスやボクシングのチケットをよくもらってきた。 それに付き合うのはアタシの役目。その頃、よく行っていたのが両国にあった日大講堂。…
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北千住「もつ焼き つみき」で女子3人がグレープフルーツサワーを飲む姿にホッ
最近の北千住は老舗を凌駕するほど新しい店も増えている。 が、ご承知の通り、このエリアは都内有数の酒場激戦区である。よほどの実力を備えていないと痛い目に遭う。今回訪ねた「もつ焼き つみき」は北…
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湯島「岩手屋」でホヤをつまみに喜寿超えのマダム2人と日本酒談議
盛岡でひとつやり残したことがあった。 それは名物のホヤを食わなかったこと。東京でホヤを食わせる店は少ない。ヘタすると、とんでもなくまずいものに出くわしかねない。さて、どうしたものかと悩んでい…
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大阪・難波「豚足のかどや」では若い男女やパワフルなおっさんがトロリとした豚足にかぶり付いている
実はアタシの豚足デビューは意外と遅い。 西荻窪のアパートに住んでいた大学の同級生から、近所に豚足を食わせる台湾料理店があるので飲みに来い、と誘われたのだ。 西荻窪駅裏のカウンターだけ…
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三宮「森井本店」の神戸牛のスジを使ったどて焼きはまるで霜降り牛の煮込み
元NBAのスーパースター、故コービー・ブライアントの名前は、父親が神戸牛を食べて感動したので「KOBE」と名付けたという有名な話がある。これをアメリカ流に発音すると「コービー」となるわけだ。そんな世…