立花隆の好物だった小石川「遠州屋」の牛モツ煮込みには、上質な甘みとコクがある
いまだに東京23区中で一番の背の高い文京区役所。その中に文京シビック大ホールがある。公共ホールとしては有数の規模と設備を誇るもの。文京区の民度の高さを感じる、って言い過ぎかな。
そこで仕事を終え、せっかくなのでこの界隈を散策することに。実はこの辺りはほとんど来たことがない。都営三田線はよく利用するのだが、神保町から北はほぼ未開の地。来ても水道橋の手前まで。散策の目的はよさげな酒場を探すこと。ならば繁華街か商店街のある通りということになるが、それらしい通りがない。普通は駅の近くには必ずあるのだが、そういえば文京区の駅はほとんどが地下鉄。なるほど。だから街にメリハリがないのか(失礼!)。
が、そんな街にもおや? っと思う通りがあった。それは小石川のえんま通り商店街。豪華な高層マンションが立っている隙間にある渋い商店街だ。そこに今回お邪魔した「遠州屋」がある。
入り口左には外から見える焼き台があり、そこでもつ焼きを焼いているのがこの酒場の2代目主人・鈴木聡さんだ。あえて酒場の、としたのは、浜松出身の初代が遠州屋として創業したのは米屋さん。初代から数えると鈴木さんは4代目。同じ屋号で酒場を開業したのは鈴木さんのお父さんということで酒場の主人としては2代目となる。
暖簾をくぐると大きなテーブルが左右にいくつも並んでいる。カウンターはなく、混んだらすべて相席になるが、テーブルが大きいため1人客でも相席の気まずさはない。だから1人客の地元常連は結構多いようだ。6人掛けテーブルの角に案内され、まずは生中(580円)でのどを潤す。つまみは牛モツ煮込み豆腐入り(650円)。上質な牛モツは甘みが強くコクがある。それを熱々の豆腐と一緒に口に放り込む。ここに冷え冷えの生ビール。サイコ~!