四ツ木「大衆割烹 ゑびす」で脂の乗った、てんこ盛りのしめ鯖に感激
荒川の川面からの熱風を受け、八広から四ツ木橋を渡る。綾瀬川沿いを歩きながら中央環状線の巨大な高架を見上げると、その威容に恐怖すら覚えてしまう。
そして何千台という車が走っているその高架下には静かな街並みが広がっている。ここに人の生活があることを改めて実感する還暦男。アタシは四ツ木は初めてだが、その昔、名画座で見た高峰秀子主演の「綴方教室」の舞台となった街として記憶に残っている。
まいろーど四つ木商店街を進むと、左手角に立派な暖簾が目に入る。そこが今回の目的店「大衆割烹 ゑびす」だ。
エネルギッシュにもつ焼きや煮込みを頬張りながら焼酎をあおる楽しさは何物にも代えがたい。が、磨き込まれた木目のカウンターで、静かに刺し身で冷酒っていうのも捨てがたい。開店の午後4時を30分ほど過ぎた頃にお邪魔すると、10人ほど座れるL字カウンターには、地元の先輩方5、6人がすでに上機嫌。アタシは手前の端に陣取り、スーパードライの大瓶(750円)と、しめ鯖(500円)を注文。女将さんが目の前で栓を開けてくれるのがうれしい。