北新地のクラブ街の端にたたずむ「天平」の絶品一口餃子…どの客も数十個単位でペロリ

公開日: 更新日:

 あれは1990年。まだ若くて真面目な会社員だったころのことだ。

 バブルが崩壊。営業だったアタシはそれまで電話一本で済んだ仕事が10倍の労力をかけても決まらなくなった。

 そんなときに大阪エリアも担当することに。不安を抱えて乗り込んでいった大阪で、初めて会った得意先の担当者の第一声が忘れられない。

「で、なんぼでやってくれるんでっか?」

 段取りも根回しもあったものではない。その直截な物言いに腰を抜かした。なるほど。これが大阪流か。それなら逆に俺の肌に合っているし、意外と面白くなるかもしれないと思った。

 その後、仕事がうまく運び、先方の担当者と祝杯。彼いわく「銀座に比べたら劣るけど、ミナミより格調高い」北新地で飲み、仕上げにうまい餃子を食おうということで連れていかれたのが、今回の「天平」である。

 かなり遅い時間だったにもかかわらず、派手な女性と酔客で店内はいっぱい。彼らは競って餃子を注文していた。「40個頼むわ」「こっちは50個や」「30個追加してんか」。ここは数量で注文するのか……と思った瞬間、「こっちに60個とビール2本」。いきなり連れが叫んだ。えっ! 60個? いくら一口餃子でも多過ぎる、と正直思ったが、結局ペロリと平らげてしまった。

 その小ぶりの餃子を3つほど口に放り込んで噛みしめると、パリパリの皮の食感とネットリした餡が口中にあふれ、幸せ満載。アタシはこの一口餃子にはまり、大阪に来るたびに寄るようになった。

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 暮らしのアクセスランキング

  1. 1

    医学部に進学した息子のために老後破産したエリートサラリーマンの懺悔

  2. 2

    「士業で独立」を夢見る中高年の理想と現実 60歳を過ぎても役に立つ資格とは

  3. 3

    磐越道事故を招いた「蒲原鉄道」の懐事情 なぜバス事業取り消しリスクを冒してまで北越高の要望に応えていたのか

  4. 4

    「うちの子、ADHDかも?」と悩む前に…親が知るべき「本当のADHD」と「勘違いADHD」の決定的な違い

  5. 5

    老後破産したエリートビジネスマンは、コンビニ店員として再出発できるのか

  1. 6

    富山・立山で出没のクマは餌不足ではなかった! 観光名所「称名滝」の遊歩道で観光客被害

  2. 7

    岡田晴恵さんに聞く「政府の新型コロナ対策はどこから間違えたのか」

  3. 8

    サバンナ高橋の「選択」は大正解だった! “自ら名乗り出る”か“逃げ切りか”で分かれるリスクヘッジ力

  4. 9

    関ヶ原の戦いは「天下分け目」でも「三成首謀」でもなかった 常識を覆す新説を在野の研究者が解き明かす

  5. 10

    クルーズ船で集団感染疑い「ハンタウイルス」でパンデミックの可能性は? 日本の飲食街を走り回るネズミからも感染リスクあり

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    株主82万人に拡大も…前澤友作氏「カブ&ピース」のビジネスモデルは法規制に大きく左右される

  2. 2

    医学部に進学した息子のために老後破産したエリートサラリーマンの懺悔

  3. 3

    高市自民に「卑怯」「選挙やり直せ」とSNS大炎上! 違法「広告動画」出稿疑惑は拡大必至

  4. 4

    高市首相が国政初挑戦の1992年に漏らした「女を武器に」の原点 投開票日の夜に“チョメチョメ”告白の仰天

  5. 5

    ひろゆき氏も"参戦" 「タモリつまらない」論争に擁護派が続出する“老害化とは無縁’の精神

  1. 6

    休養中の菊池風磨「timelesz」5月ライブは不在…チケット"取れすぎ"が危ぶまれるグループ人気と「激痩せ」と「占い」

  2. 7

    サバンナ高橋“10年いじめ”問題からにじむ上下関係の悪しき伝統と「吉本の闇」…鬼越トマホーク良ちゃんも参戦

  3. 8

    今春の関東大会は「戦い方」が難しい 夏以降の新チームにも薄っすらと危機感を抱いています

  4. 9

    ビットコインは一気に投資拡大の可能性 200日移動平均線の水準に

  5. 10

    テープのつなぎめが分かりにくい「ハイファイ・ビートルズ」