反動の宗教右派(3)同じキリスト教でも人種の違いで状況が異なる
「キリスト教 ナショナリズム」森本あんり、渡辺靖著
米議会の中間選挙を前に、トランプ政権の岩盤支持層といわれる宗教右派の動向にまた注目が集まっている。
◇ ◇ ◇
「キリスト教 ナショナリズム」森本あんり、渡辺靖著
「福音派」はトランプ政権発足から頻繁に聞くようになったが、最近は新たにこれが登場した。「キリスト教ナショナリズム」は2010年代に急に一般化した新語。彼らにとって大事なのは「回心」、つまり本心から神への信仰に目覚める体験をしたと自覚した「真のクリスチャン」であること。これがレーガン政権の時代に「クリスチャン右派」として確立し、政治的に重要になった。21世紀にさらに右傾化したのがキリスト教ナショナリズムだ。
本書は専門家の対談形式の解説書で、今日の宗教現象が多彩にとりあげられる。面倒なのは同じキリスト教でも人種の違いで状況が異なる上に、宗派を横断した「新使徒的改革運動」(NAR)のような動きが力を持ち始めていること。福音派勢力の中から1990年代に神学者ワグナーが唱えた超教派的な宗教運動で、キリスト教的価値観で政治、経済、メディアなどを支配・変革しようという。ほとんど陰謀論のようだ。
(朝日新聞出版 990円)


















