反動の宗教右派(1)最も近代化を果たし、かつ宗教的でもあるアメリカ
「宗教のアメリカ」藤本龍児著
米議会の中間選挙を前に、トランプ政権の岩盤支持層といわれる宗教右派の動向にまた注目が集まっている。
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「宗教のアメリカ」藤本龍児著
書名を見るとアメリカ宗教事情のようだが、本書は「宗教的な観点からアメリカ像を問うことによって、近代社会について考え直す」ことが目的。つまり近代の代表としてのアメリカの歴史を宗教的な観点で見直すというわけだ。これまでの日本人のアメリカ理解に欠けているのが宗教という思いがあるという。
大航海時代とアメリカの植民地時代までさかのぼって、米国史と宗教の関係をたどる。イギリスは北米にいち早く植民地を建設したが、イギリスに反旗を翻したピューリタンの植民地がアメリカ的な精神を形成した。本書がユニークなのは政治と宗教の関わりを、日常生活の隅々に浸透した「見えない宗教」と、個人主義の社会がお互いを尊重する「公共哲学」の二面で見ているところだろう。宗教は衰退したという通説に対し、本書は逆に「宗教にもとづいて『複数の近代』が展開しはじめた」「<宗教的なもの>にあと押しされた世界は、もはや国家ごとの思惑を越えた広がりで、しかしグローバルな一体化に向かうことなく動きはじめた」という。そして「最も近代化を果たし、かつ宗教的でもあるアメリカが、この世界的な地殻変動の中心になっている」というのである。
(岩波書店 1276円)



















