本の森
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「オリヴァー・サックス」オリヴァー・サックス著 田村浩二訳
「オリヴァー・サックス」オリヴァー・サックス著 田村浩二訳 オリヴァー・サックスの名前が日本で知られるようになったのは、映画「レナードの朝」の公開がきっかけだったろう。嗜眠性脳炎で眠り続けてい…
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「50万語を編む」松井栄一著、佐藤宏編
「50万語を編む」松井栄一著、佐藤宏編 日本初の近代的国語辞典、大槻文彦の「言海」が刊行されたのは150年ほど前。以来多くの国語辞典が作られてきたが、「大日本国語辞典」(1915-19)は収録…
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「エビデンスを嫌う人たち」リー・マッキンタイア著 西尾義人訳
「エビデンスを嫌う人たち」リー・マッキンタイア著 西尾義人訳 9月に入っても猛暑続きで地球温暖化を実感するこの頃だが、米国では気候変動という現象はデマであり、あったとしてもそれは「人類のせい」…
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「新装版 ペルーからきた私の娘」藤本和子著
「新装版 ペルーからきた私の娘」藤本和子著 藤本和子といえば「アメリカの鱒釣り」などのリチャード・ブローティガンの翻訳者としてよく知られているが、聞き書きの手法を生かしたエッセーの書き手として…
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「日本語と漢字」今野真二著
「日本語と漢字」今野真二著 サブタイトルに「正書法がないことばの歴史」とある。音声言語を文字化するときに文字化の仕方が1つしかなければ、その言語は正書法があるという。一方、英語のheartを心…
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「能力で人を分けなくなる日」最首悟著
「能力で人を分けなくなる日」最首悟著 最首悟は東京大学全学助手共闘会議に参加。その後、同大教養学部助手を27年間務める。1977年から水俣病の被害者や地域住民から話を聞く研究者集団「不知火海総…
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「あの素晴しい日々」加藤和彦、前田祥丈著 牧村憲一監修
「あの素晴しい日々」加藤和彦、前田祥丈著 牧村憲一監修 今年は“トノバン”こと加藤和彦が逝ってから15年。ドキュメンタリー映画「トノバン 音楽家 加藤和彦とその時代」が上映され、6月のコンサー…
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「東洋医学はなぜ効くのか」山本高穂、大野智著
「東洋医学はなぜ効くのか」山本高穂、大野智著 今年2月に放映されたNHK BSプレミアム「フロンティア 東洋医学とは何か」で興味深い映像が紹介された。アルプスの氷河から発掘された5300年前の…
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「シャドウプレイ」ジョセフ・オコーナー著 栩木伸明訳
「シャドウプレイ」ジョセフ・オコーナー著 栩木伸明訳 吸血鬼小説の古典的名作「吸血鬼ドラキュラ」が世に出たのは、ビクトリア朝末期の1897年。作者は、ロンドンで劇場支配人を務める傍ら小説を書い…
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「『音』と『声』の社会史」坂田謙司著
「『音』と『声』の社会史」坂田謙司著 コロナ禍の緊急事態宣言のときに、外出が制限されたり多くの店が休業状態になり、それまで街にあふれていた日常的な音や声が消えてしまった。 その消失は、…
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「生と死を分ける翻訳」アンナ・アスラニアン著 小川浩一訳
「生と死を分ける翻訳」アンナ・アスラニアン著 小川浩一訳 多言語の音声アプリなど機械翻訳の需要が高まっている。日常会話程度なら問題ないが、少し踏み入った議論となるとなかなか難しい。互いの言語の…
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「声と文字の人類学」出口顯著
「声と文字の人類学」出口顯著 ユニセフがSDGsの目標に読み書き(と計算)ができることを掲げているように、現代社会では読み書き能力(リテラシー)に重きが置かれている。その一方で、口頭のみのコミ…
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「『大漢和辞典』の百年」池澤正晃著
「『大漢和辞典』の百年」池澤正晃著 収録漢字5万語、語彙数25万語という桁外れな規模の諸橋轍次著「大漢和辞典」全13巻が完結したのは1960年。版元の大修館書店の創業社長・鈴木一平と諸橋が出版…
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「ヤマトタケルの日本史」井上章一著
「ヤマトタケルの日本史」井上章一著 ヤマトタケルといえば、女を装い敵であるクマソ一族の宴席にもぐりこみ、その美貌に魅了されたクマソの族長を討ち取ったことで知られる。今風にいえば、トランスベスタ…
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「じゃじゃ馬娘、ジョニ・ミッチェル伝」デヴィッド・ヤフィ著 丸山京子訳
「じゃじゃ馬娘、ジョニ・ミッチェル伝」デヴィッド・ヤフィ著 丸山京子訳 今年のグラミー賞授賞式で、ジョニ・ミッチェルがライブパフォーマンスを行ったことが話題となった。ジョニは過去10回グラミー…
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「頭上運搬を追って」三砂ちづる著
「頭上運搬を追って」三砂ちづる著 頭上運搬とは、自動車などの移送手段がなかったところで頭に物をのせて運ぶこと。両手で持つより多くの物を運べることからアフリカ、中南米、東アジア一帯では現在でも見…
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「脇役たちの西洋史」有光秀行、鈴木道也編
「脇役たちの西洋史」有光秀行、鈴木道也編 ドイツ文学者・エッセイストの池内紀に「二列目の人生」という伝記エッセー集がある。華々しい活躍をして1列目に居並ぶ人たちではなく、2番手として独自の生き…
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「左右を哲学する」清水将吾著
「左右を哲学する」清水将吾著 鏡の前で右手を挙げると、鏡に映る「自分」は左手を挙げている。上下・前後はそのままなのになぜ左右だけが逆転するのか? マーティン・ガードナーの「自然界における左と右…
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「死因の人類史」アンドリュー・ドイグ著 秋山勝訳
「死因の人類史」アンドリュー・ドイグ著 秋山勝訳 1999~2019年の世界の主要死因は、虚血性心疾患、脳卒中、慢性閉塞性肺疾患、下気道感染症などが上位を占めていたが、新型コロナウイルスの蔓延…
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「リーゼ・マイトナー」マリッサ・モス著、中井川玲子訳
「リーゼ・マイトナー」マリッサ・モス著、中井川玲子訳 話題の映画「オッペンハイマー」は、米国の原爆開発プロジェクト「マンハッタン計画」の指導的役割を果たし“原爆の父”と呼ばれたロバート・オッペ…