時空を超えて没入 文庫で読む時代小説(1)能面の呪いの真相を解く鋭い推理力
「佐渡絢爛」赤神諒著
時代が違えど人の求める情や探求心は変わることがない。今回は、時空を超えてもなお身を乗り出したくなる時代小説をご紹介。盛りがすぎた鉱山の町で起きた不可解な事件に挑む男たち、犬だけが相棒の元同心、騒がしくも楽しい異母きょうだいらの活躍をお楽しみあれ。
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「佐渡絢爛」赤神諒著
かつて多くの金銀を産出した佐渡のある坑道で、36人の男が落盤により命を落とした。奇妙なのは、この坑道が乱掘により廃されて出入り禁止になっていた上、犠牲者の身元がみなバラバラで互いにつながりがなかったことだ。現場には血まみれの能面「大癋見」が落ちており、島民たちは「大癋見の呪い」と騒ぎ出す。真相がわからないまま、今度は能舞台で磔にされた侍が見つかった。事件の解明に挑むのは、坑道の測量技術を担う振矩師の静野与右衛門と新任の佐渡奉行・荻原重秀が佐渡に送り込んだ広間役の間瀬吉大夫。果たして呪いと噂される事件の陰にどんな真実があるのか……。
「日本歴史時代作家協会賞作品賞」と「本屋が選ぶ時代小説大賞」のダブル受賞作。異色の謎解きコンビの冷静な推理に舌を巻く。
(徳間書店 1078円)



















