時空を超えて没入 文庫で読む時代小説(2)オランダ人好みの料理を考案する女料理人
「粋月の異国献立帖」鷹井伶著
時代が違えど人の求める情や探求心は変わることがない。今回は、時空を超えてもなお身を乗り出したくなる時代小説をご紹介。盛りがすぎた鉱山の町で起きた不可解な事件に挑む男たち、犬だけが相棒の元同心、騒がしくも楽しい異母きょうだいらの活躍をお楽しみあれ。
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「粋月の異国献立帖」鷹井伶著
主人公は、上方の料亭「粋月」の長女・喜久。店を継ぎたいという夢を持っていたものの、女であることを理由に周囲から反対されている。ある日、江戸の料亭八百富と料理比べをした際、喜久のレシピは父の一番弟子である直次の手柄にされてしまう。さらにその後、不審火で粋月が全焼して父も他界。店を失いそれでも料理人として生きていきたい喜久は、ひょんなことからオランダ商館の通詞・下柳聡介に求められ、オランダ人の胃袋を掴む料理を提供することに。果たして喜久は異国人を満足させる料理を作れるのか……。
「お江戸やすらぎ飯」シリーズなどで人気の著者による、文庫書き下ろしグルメ時代小説。将軍の命を受けて、味音痴の聡介とオランダ人を知らない喜久のコンビが未知のレシピに挑む成長物語になっている。
(PHP研究所 1034円)


















