女3人で「姦」、では、男3人「𪟧」は何と読む?「辞典には載っていない絶滅漢字図鑑」竹澤雅文(拾萬字鏡)著
「辞典には載っていない絶滅漢字図鑑」竹澤雅文(拾萬字鏡)著
鬼に漢数字の七と八を組み合わせた「𬴽𫙈」という熟語。読める人は、おそらく漢字の達人であろう。この熟語、平安時代から古辞書で知られていた文字で、江戸時代には俳諧で使われていたそうだ。答えはなんと「はしたない」と読むそうだ。
日本で最も分厚い「大漢和辞典」には約5万字の漢字が載っているそうだが、すべての漢字をカバーしているわけではない。かつて日本で使われながら、現在では誰一人使うことがなく、パソコンやスマホで変換することも、どの漢和辞典にも載っていない字が実はたくさんあるのだという。そんな漢字を「絶滅漢字」と名付け、紹介する本。
まずは奈良時代から江戸時代までの間に使用されていた絶滅漢字が登場。
女3人の「姦」(かしましい)は、現代でも使われているが、江戸時代まで男3人「𪟧」も使われていた。「たばかる」という意味だそうだ。
水に物が浮いている「汆」という字は、桃が流れてくるときのあの擬音「どんぶ─らこ」を表す。もっとも、使われているのは桃太郎とは別の作品で、風呂で足を滑らせた人間が湯船にどんぶらこという場面だそうだ。
同じように「𪱶」(ざんぶ─と)、「𬑽」(どんぶ─と)は、もとは平安時代末期の渡来人の名前として用いられていたが、室町時代になると字の形状から井戸の中に木や石を投げ込んだときの音を表すようになったという。
室町時代まで漢字の使い手は、僧侶や貴族、学者など限られた人たちで、取り上げられる絶滅漢字の多くは彼らによってつくられた日本製漢字という。
他にも幕末から昭和まで存在した外来語を翻訳する過程で生まれた絶滅漢字や、魚や鳥の名前の絶滅漢字まで、695字を収録。読めば、誰かに話したくなること間違いなしの面白本だ。 (KADOKAWA 1870円)



















