全国各地の個性派給水塔が勢ぞろい⁉「まちかど給水塔図鑑」高水湧基著
「まちかど給水塔図鑑」高水湧基著
全国各地の給水塔を紹介するビジュアル本。
給水塔とは、安定した水圧と水量で給水するための構造物。団地などで見かけるアレだ。塔の高い位置に設けられた水槽にポンプでくみ上げた水をためおき、重力を利用して給水する仕組みだ。
ビルやマンションなどの屋上に設置されたタンク(高置水槽)が基本的にその建物だけに給水するのに対し、給水塔はより多くの建物や広い範囲に給水できるそうだ。
そんな基本知識を得て、ページが進むといよいよ実物の給水塔の世界へ。
そして、最初に紹介される「小樽市水道局銭函浄水場高架水槽」に、早くもおぼろげに抱いていた給水塔のイメージが一新されるに違いない。
1966年に建設されたそれは高さ13.3メートルと、50メートルを超える給水塔もある中ではさほどの大きさではないのだが、その姿は一目見たら忘れられない。金属質で、シャンペングラスと形容されるほど流麗な姿をしているのだ。
一方、宮城県の「松島町初原浄水場配水塔」は、まるで野原に生えた鋼鉄製の「つくし」の趣。
給水塔がこれほどバラエティーに富んだ形をしているとは知らなかった。
以降、幾何学的なデザインで近未来を思わせる「茨城県営桜ヶ丘アパート給水塔」、水槽を支える列柱が円形に並ぶさまが神殿のような「千葉県企業局船橋高架水槽」、巨大な徳利のような「静岡市上下水道局和田島浄水場配水塔愛泉蔵」など、北は北海道から南は沖縄まで、収録された150塔以上もの給水塔はどれひとつとして同じものがない。
都民にはおなじみの「駒沢オリンピック公園オリンピック記念塔」も、頂部が水槽で給水塔の役割も担っているそうだ。
手にしたら、給水塔「沼」にどっぷりとハマりそうなおすすめ本。 (創元社 2200円)



















