文豪たちの功績と素顔に触れる文学散歩「東京の文学館ぶらり旅」増山かおり著

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「東京の文学館ぶらり旅」増山かおり著

 東京とその近郊には、明治の文豪をはじめ、多くの有名作家が居を構え、そのゆかりの地には彼ら彼女らを顕彰する記念館が建っている。

 本書は、そんな記念館を中心に、文学に親しめるスポットを紹介するビジュアルガイド。

「新宿区立漱石山房記念館」は、「近代文学の父」夏目漱石が「三四郎」や「こゝろ」などを執筆した家「漱石山房」の跡地に立つ。

 展示室には、漱石の人間性にスポットを当てた展示が並び、文豪が身近な存在に感じられる。

 木曜会と称し、当時、芥川龍之介ら門下生が集まった書斎を当時のままに再現した展示もある。

 また併設のカフェでは漱石が愛した「空也」のもなかを食べながら作品を読むことができる。

「文京区立森鴎外記念館」は、鴎外が明治25年から大正11年まで30年間を過ごした邸宅「観潮楼」跡地に立つ。

 作家、翻訳家、文芸評論家として活躍する一方で、軍医でもあった鴎外は、衛生学者として都市計画へ提言したり、帝室博物館総長を務めるなど幅広い活動をした。その一方で、仕事先から毎日のように子供たちにはがきを送った家庭人としての姿を伝える資料も充実。

 ほかにも、太宰治が「三鷹の此の小さい家」と表現した借家を再現した三鷹の「太宰治展示室」やその近所の作家が暮らした家をそのまま用いた「山本有三記念館」など、まずは一人の作家とじっくり向き合える施設を紹介。

 以降、名だたる文豪の資料が揃う「日本近代文学館」など、1カ所で多くの作家たちの足跡と出合える施設、さらに約4万冊のマンガが読み放題の「立川まんがぱーく」のようにマンガや絵本、アニメ関連まで、多様な89スポットを網羅。

 読書の秋も近づき、文学散歩のお供にお薦め。

(エクスナレッジ 1980円)

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