「純喫茶ランチ」難波里奈著│喫茶店で食べるおひるごはんは特別な時間

公開日: 更新日:

「純喫茶ランチ」難波里奈著

 これまで2000軒以上の純喫茶を巡ってきた著者は、純喫茶で食べるおひるごはんには、レストランとも家での食事とも違う良さがあるという。洋食、和食、はたまた独創的なオリジナルメニューまで、店の個性や、店の人の人柄がぎゅっと詰まっていて、食後のコーヒーまでを含めて、ひとつの時間として完成していると。

 そんな著者が自ら通う純喫茶のおいしいごはんを紹介するガイドブック。

 喫茶店ランチと聞いて真っ先に思い浮かぶのは、ナポリタンではなかろうか。京王線の中河原駅近くにある喫茶店「ぶんぶん」は、1982年創業。名物「鉄板ナポリタン」は、ざく切りのキャベツを油とからしマヨネーズで炒め、色とりどりの具材を重ねたもの。半熟の目玉焼きとからしマヨネーズ、ケチャップが具材と麺を調和させる。もうひとつの人気メニュー「めんたいちーずトースト」には、「オレンジとハチミツとレモンのジュース」を合わせるのがお勧め。店内には、創業者の井上一樹さんがかつて自転車で全国を旅した際に集めたグッズが飾られている。

 赤羽の「純喫茶 デア」の人気メニュー「オムライス」は、中身のごはんをケチャップ味のほか、カレー味やプレーン味からも選べる。店主の本橋八重子さんは、1983年に前店主から居抜きで店を引き継ぎ、40年以上店に立ち続けてきた。

 石神井公園近くの「リリー」では、喫茶店には珍しく魚中心の和定食を提供。店主の根本勝浩さんが高齢の常連客を思い、魚中心の定食を提供するようにしているそうだ。

 他にもカレーやサンドイッチ、そして食後のデザートまで、ジャンルごとに関東の喫茶店36店の人気メニュー77皿を、店の歴史や店主の思いなどとともに紹介。

 家の近くにあったらいいなと思える店ばかり。

(河出書房新社 1980円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    伊原陵人の女性トラブル報道と関係が? 阪神の若手有望株を巡る“不可解な塩漬け”

  2. 2

    NHK「のど自慢」見ていて、あの政党の党勢縮小の理由がわかった

  3. 3

    バナナマン日村が簡単に復帰できそうにない「もう1つの理由」…レギュラー11本抱える人気者のジレンマ

  4. 4

    維新から入閣の中司宏新大臣に案の定「裏金疑惑」…高市内閣は支持率20ポイント暴落もある

  5. 5

    DeNA構想外の藤浪晋太郎を拾いそうな「意外な2球団」 “瀕死の剛腕”にはこれだけの魅力

  1. 6

    藤島ジュリー景子もう復活 懲りない真っ暗闇集団「旧ジャニーズ」と、それを許すテレビ局

  2. 7

    『ペイパーバック・ライター』60年前の日本との実力差を感じる凝った機材セッティング

  3. 8

    藤島ジュリー景子氏「復権の宴」と、「死ぬほど悔しい」と今もむせび泣くジャニー喜多川氏性加害被害者の肉声

  4. 9

    水前寺清子(4)気をつけていることといったら、「自分の心と違うことは言わない」ぐらいかな

  5. 10

    結核とは違う感染症「非結核性抗酸菌症」患者が増加…人からうつらないのに感染するのはなぜ?