ド派手な展開と圧倒的な知能戦に興奮「無能なナナ 15」るーすぼーい原作 古屋庵作画
「無能なナナ 15」るーすぼーい原作 古屋庵作画
大好きなマンガ「無能なナナ」が終わった。昔より書評の仕事が増えたのもあり、どうしても小説や新書を読む時間が多く、学生時代よりマンガからは離れてる自覚がある。そんな中、久しぶりに完結まで読み切った作品が本作だ。ジャンルは超能力バトル物。筒井康隆さんの小説「七瀬ふたたび」が好きな方にも読んでほしい。
舞台は日本。能力者と呼ばれる特殊な能力を持った少年少女たち。彼らは「人類の敵」とされる怪物に立ち向かうために孤島の学校に集められ、日々訓練に励んでいた。そんな学園にある日、主人公である柊ナナが転校してきた。彼女の能力は「人の心が読めること」。強大な力にクラスは大いに盛り上がる。
対照的にナナの隣の席の中島ナナオは自分が能力者なのは分かっているのだが、どんな能力かが彼自身もまだ分かってないことで「無能」と罵られていた。一見平和に見える学園、だが「人類の敵」が、学園のある島に上陸してると噂が出回り、全ての歯車が瓦解していく事件が発生する。
この本の見どころは全話がもったいぶらないド派手な展開と圧倒的な知能戦だ。
超能力物の序盤は最初は水を操るとか、早く動けるぐらいシンプルな能力が出てくるのがセオリー。ところが本作は、他のマンガならラスボス級の能力者が序盤の序盤で出てくる。いきなりこんな凄いの見れちゃうの? と興奮して読んでいくとその対決が終わってもまたラスボス級に強い相手が登場する。そしてこの相手の能力に対してシンプルに立ち向かうのではなく「どうやり込めるのか、相手の弱点は何なのか」と探っていき駆け引きで戦うのがメインなのだ。ここが他の能力バトル物と一線を画している。頭脳戦のランクは往年の名作「デスノート」に匹敵すると言っても過言ではない。
毎回この熱量なので1巻に1回は「ナナちゃん詰んだわ……」と思わせられる、つまり計15回もとんでもないヤマ場があるのだ。なかなか出来る芸当ではない。心理描写も優れていて、移り行く主人公たちの心が最終話どこに行き着くのか、このマンガならではの終わり方で凄く良かった。
完結を機にぜひ読んでほしい。久しくマンガから離れている小説好きの人にもオススメである。 (スクウェア・エニックス 810円)



















