自治体での導入進まないGISシステム…固定資産税で「課税誤り」が意外に多い背景
システムを導入した効果として1030の自治体が課税対象の正確な把握を挙げる。また、829の自治体では「課税誤りを修正することができた」と回答した。これは導入団体の約64%に当たる。誤りを是正できたことは歓迎すべきだが、従来の確認方法では見逃されていた誤りが数多くあったことも気になる。
こうしたシステムは419の自治体が未導入。その多くは図面閲覧などの簡易なGISを利用しているものの、システムを全く導入していない自治体も87ある。未導入だから誤りがあるとは限らないが、課税の正確さをどう確かめているのだろう。
GISに詳しい企業経営者によると「数年前に過大徴収が発覚した、関東のある自治体に聞くと、固定資産課税用GISは未導入で、地番図は紙で管理しているという。主な理由は予算を確保できないことだ。市のDX計画にはGIS活用が掲げられているものの、現時点では翌年度の導入も決まっていないという。これで、どのような再発防止をするつもりなのか」。
もっとも、システムの導入も簡単ではないらしい。図面のデータ化、台帳との照合、職員の習熟に加え、導入後も更新や保守が続く。先述の報告書には、航空写真撮影を含むシステムの年間運用費が約6000万円という自治体の例もある。人手と予算が限られる現場にとって負担は重い。
過大課税は納税者の不利益となり、課税漏れも負担の公平性を損なう。正確な課税を求めるなら、それを支える費用と人員の確保も欠かせない。住民が気づくまで誤りが続くことのないよう、国などから導入支援の必要があるのではないか。
(小野悠史/ニュースライター)



















