スズキが最安値での軽EV発売を発表 “2台目需要”を掘り起こす日中自動車メーカーの熾烈
生活の足として定着した軽自動車にも電気自動車の流れが迫る中、スズキは6日、同社として初となる軽自動車のEV「eスカイ」を発表。11月16日から発売する。軽のEV市場は、三菱の「i-MiEV」が2009年、世界初の量産型として切り開くと、各社が参入。今や中国大手も殴り込みをかける“激戦区”になっている。
スズキの鈴木俊宏社長はこの日の会見で「スズキが長年にわたりお客さまとともに育んできた軽自動車の価値をEVでも提供していく」と語り、少ない電力で効率よく走れる“電費”のよさを強調した。一度のフル充電で走行できる航続距離は310キロに上る。国内の軽EV市場を引っ張る日産サクラのそれは180キロ(WLTCモード)だから1.7倍だ。
それでいて3つのグレードのうち最安は212万円。政府の補助金を使うと、155万円で購入できる。後部座席の窓には開閉機能をはずし、装備を限定することで安さを実現したという。ほか2つのグレードの販売価格は239万円と279万円だ。
EV市場は、世界的にテスラやBYDが攻勢を強めるが、日本では期待ほど売れていない。昨年の新車販売台数約456万6000台のうちEVは約6万台にとどまっている。軽EVは約2万台だ。
「日本の自動車メーカーはハイブリッド車に注力していてEVは車種が少ない上、価格は非EVに比べて割高、電池性能による航続距離が短いことなどがEV普及の足かせでした。しかし、日常生活の足として使う軽自動車の枠組みなら、少なくとも航続距離の短さは問題になりません。軽のEV市場は今後、盛り上がる可能性を秘めています」
こう言うのは、自動車ジャーナリストの横田晃氏だ。
軽のEVでは、日産サクラと三菱eKクロスEVが22年に共同開発で誕生して以来、サクラが市場を引っ張り、ホンダも参入。今年7月には、中国大手BYDも日本の軽自動車規格で設計した「RACCO(ラッコ)」を発売した。8月の受注台数は過去最高を記録し、9月末時点での累計受注は2000台に迫るという。軽EV市場はにわかに熱を帯びている。


















