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吉井理人千葉ロッテマリーンズ前監督

1965年4月、和歌山県出身。箕島高から83年ドラフト2位で近鉄入団。ヤクルトを経てFAでメッツへ。ロッキーズ、エクスポズなど日米7球団で通算547試合に登板して121勝129敗62セーブ。引退後は日本ハム、ソフトバンク、ロッテのコーチ、昨年までロッテ監督を務めた。23年WBCでは投手コーチとして14年ぶりの世界一に貢献。

「投手の墓場」で好投する菅野智之の価値 僕が日本人史上2人目の本塁打を打ったのもクアーズフィールド

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 よりによって、やっかいな場所で投げることになったな──。

 2000年1月、ロッキーズへのトレードを告げられた瞬間、こんなふうに思った。

 メッツ時代、ロッキーズの本拠地・コロラド州デンバーで投げた経験があった。

 クアーズフィールドは標高1600メートルの高地にある。気圧が低く、空気が薄いため、打球がよく飛ぶ打者有利の球場として知られる。僕が野茂英雄以来、日本人選手2人目の本塁打を放ったのもクアーズフィールドだった。飛距離が出るというより、打球速度が速く、外野の間を抜ける二塁打や三塁打が多くなる。

 投手としての制球もままならない。ストレートを投げても思ったところにいかず、ストライクゾーンから外れることが多かった。おまけに変化球は予想外の曲がり方をする。ツーシームを投げたつもりが、逆方向のスライダーのように曲がったことも。フォークは落ちにくかった。要するに投手として、思うような投球をしづらい球場なのだ。

■体調管理も難しかった

 移籍して以降もコンディションづくりには苦労した。空気が薄いため、特にランニングが負担になる。頭痛に悩まされたことも何度かあった。マラソンランナーがあえて高地でトレーニングする理由がわかった気がした。

 アリゾナ州ツーソンのキャンプ地で持久系のトレーニングが多かったのも、本拠地でより良いパフォーマンスを発揮するためだろう。設定されたタイム以内に800メートルの直線を2本走るトレーニングは本当にキツかった。

 本拠地とビジターの試合、高地と平地を行き来するたびに体の感じが異なる。体調管理も難しかった。

 2000年のシーズンは29試合に先発して6勝15敗、防御率5.86。前年のメッツでは12勝8敗、防御率4.40だったから、防御率は1点以上悪化した。

 そんな「投手の墓場」ともいわれる球場を本拠地にするロッキーズで、開幕から7試合に先発して3勝2敗、防御率3.41と健闘しているのがメジャー2年目の菅野智之だ。

 7試合のうち4試合は本拠地で投げ、3勝のうち2勝はクアーズフィールドでマークしたものだけに価値がある。

 36歳。昨季より球速がアップしたとはいえ、160キロ近い速球を投げるわけではない。何より制球が良いうえに、配球を工夫していればこそ。今後も経験豊富なベテランらしい投球を期待したい。

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