週末オススメ本ミシュラン
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「決断」寺岡泰博著/講談社(選者:佐高信)
「決断」寺岡泰博著 「労働組合は企業の病気を知らせる神経だ」と言ったのは宅急便をスタートさせたヤマト運輸の小倉昌男である。しかし、そう考える経営者は本当に少ない。 「そごう・西武61年目の…
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『「ネット世論」の社会学 データ分析が解き明かす「偏り」の正体』谷原つかさ著/NHK出版新書(選者:中川淳一郎)
『「ネット世論」の社会学 データ分析が解き明かす「偏り」の正体』谷原つかさ著 「ネット世論」という言葉が一般化して久しいが、実際にそれが「世論」なのかどうかについて、さまざまな手法で調査した結果…
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「世界を支配するアリの生存戦略」砂村栄力著/文藝春秋(選者:佐藤優)
「世界を支配するアリの生存戦略」砂村栄力著/文藝春秋 本書を読んで、アリは善良な働き者であるという好意的印象が崩れた。アリ(特に外来のヒアリやアルゼンチンアリ)は、わが国周辺の独裁国家に匹敵す…
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「クマにあったらどうするか ─アイヌ民族最後の狩人 姉崎等」姉崎等 著、片山龍峯 聞き書き、畠山泰英 編/ちくま文庫(選者:稲垣えみ子)
「クマにあったらどうするか ─アイヌ民族最後の狩人 姉崎等」姉崎等 著、片山龍峯 聞き書き、畠山泰英 編 約8年前にこの本を読んだのは、まさに「クマにあったらどうするか」を知りたかったから。新…
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「負け組のメディア史」佐藤卓己著/岩波現代文庫(選者:佐高信)
「負け組のメディア史」佐藤卓己 最初に新潮選書で出た時のこの本の題名は「天下無敵のメディア人間」で、こちらの方がしっくりくる。副題が「喧嘩ジャーナリスト・野依秀市」。 「実業之世界」や「…
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「なぜBBCだけが伝えられるのか 民意、戦争、王室からジャニーズまで」小林恭子/光文社新書(選者:中川淳一郎)
「なぜBBCだけが伝えられるのか 民意、戦争、王室からジャニーズまで」小林恭子/光文社新書 良書なのに「看板に偽りありかな」と思った。「書籍はタイトルだけで買うな。実際に中身を少し見てから買お…
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「101歳、現役の化粧品販売員 トモコさんの一生楽しく働く教え」堀野智子著/ダイヤモンド社(選者:佐藤優)
「101歳、現役の化粧品販売員 トモコさんの一生楽しく働く教え」堀野智子著/ダイヤモンド社/2024年 1923(大正12)年4月9日生まれの堀野智子氏は、101歳になった現在も化粧品販売員(…
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「くそつまらない未来を変えられるかもしれない投資の話」ヤマザキOKコンピュータ著/タバブックス(選者:稲垣えみ子)
「くそつまらない未来を変えられるかもしれない投資の話」ヤマザキOKコンピュータ著 前回、自分のことを「最もビジネスマンから遠い人間」と書いたばかりなのに先日、まさかのビジネス書(対談本)「シン…
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「誰も書かなかった統一教会」有田芳生著/集英社新書(選者=佐高信)
「誰も書かなかった統一教会」有田芳生著/集英社新書 「統一教会は自民党の外にあるのではない。中に入っている。国会議員等の秘書に統一教会員がいるのは明らかだし、議員自身にも怪しいのはたくさんいる」…
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「わたくし大画報」和田誠著/ポプラ社(選者:中川淳一郎)
「わたくし大画報」和田誠著/ポプラ社 グラフィックデザイナー・イラストレーターで多数の本の装丁もしてきた和田誠氏。2019年に亡くなったが、同氏による過去エッセーの傑作選が今年3月に発売された…
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「私は共産党員だ! シン・日本共産党宣言II」松竹伸幸著/文春新書(選者・佐藤優)
「私は共産党員だ! シン・日本共産党宣言II」松竹伸幸著 松竹伸幸「私は共産党員だ!」は、日本共産党現執行部によって奪われた党籍を回復することを目的として刊行された。ただし、その枠組みを超え…
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「闘うもやし 食のグローバリズムに敢然と立ち向かうある生産者の奮闘記」飯塚雅俊著/講談社(選者・稲垣えみ子)
今回から登場なので軽く自己紹介から。元は新聞社で働いておりまして、原発事故の衝撃から1人勝手に「超節電生活」をスタート。冷蔵庫だの洗濯機だのを手放すうちに「何はなくとも全然やっていける!」というスン…
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「21世紀未来圏 日本再生の構想」寺島実郎著/岩波書店(選者・佐高信)
「21世紀未来圏 日本再生の構想」寺島実郎著/岩波書店 「一九〇〇年、欧州への旅」が副題の「若き日本の肖像」(新潮文庫)で著者は「欧州が見えなくなると日本は混迷する」と指摘している。また、大学生…
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「賭博堕天録 カイジ 24億脱出編 1~26巻」福本伸行著/講談社(選者・中川淳一郎)
「賭博堕天録 カイジ 24億脱出編 1~26巻」福本伸行著 「カイジ」シリーズはバクチにハマるダメ男の伊藤開司の珍道中を描く作品である。本来は活字の本を紹介したいところだが、こちらは漫画で恐縮。…
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「日本外交の劣化 再生の道」山上信吾著/文藝春秋(選者・佐藤優)
「日本外交の劣化 再生の道」山上信吾著/文藝春秋 前オーストラリア大使の山上信吾氏による驚愕の書だ。本書が描く現在の外務省は、外交官としての能力が基準に達していない猛獣や珍獣が少なからずいる「…
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『「笑っていいとも!」とその時代』太田省一著/集英社新書(選者・中川淳一郎)
『「笑っていいとも!」とその時代』太田省一著 32年間にわたって日本のお昼を楽しませてきた「森田一義アワー 笑っていいとも!」(フジテレビ系)の成り立ちや、同番組がもたらした文化的・社会的影響…
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「女帝 小池百合子」石井妙子著/文春文庫(選者・佐高信)
「女帝 小池百合子」石井妙子著/文春文庫 「40年以上にわたって学歴を詐称してきた。国民を欺いてきた。支持者を裏切った。その卑怯、卑劣」 これは都知事の小池百合子に向かって放たれたもので…
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「起死回生 逆転プロ野球人生」中溝康隆著/新潮新書(選者・中川淳一郎)
「起死回生 逆転プロ野球人生」中溝康隆著/新潮新書 プロ野球選手には「電撃トレード」「戦力外通告」「トライアウト参加」などさまざまなドラマチックな言葉がつきまとうが、それらを「人事異動」や「転…
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「哲学史入門Ⅱ デカルトからカント、ヘーゲルまで」斎藤哲也編/NHK出版新書(選者・佐藤優)
「哲学史入門Ⅱ デカルトからカント、ヘーゲルまで」斎藤哲也編/NHK出版新書 斎藤哲也氏(1971年生まれ)は出版業界でとても有名な編集者で作家だ。同時に哲学者でもある。最近は人文ライターとい…
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「正義の行方」木寺一孝著/講談社(選者・プチ鹿島)
「正義の行方」木寺一孝著/講談社 27日から公開されたドキュメンタリー映画「正義の行方」は多くの方に見て欲しい。「面白い」からだ。本書は映画の書籍版である。その内容から面白いと表現していいか正…