インフレ下のニッポン財政(1)仕様書がなく混乱したアベノマスク
「税金はどこへ行くのか」田中弥生著
インフレが激しい、税金が高いと生活を取り巻くおカネは悩ましいことばかり。果たしてニッポン財政はどうなるのか。
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「税金はどこへ行くのか」田中弥生著
インフレをなんとかしてほしいが、そもそも税金は正しく使われているのか。高市内閣は食品消費税1%を断行すると閣議決定したものの、ほかが高くなっては意味がないのではないか。不安はやまない中、本書は税金の使われ方について解説する。
著者は民間出身者としては女性で初めて会計検査院の院長になった話題の人。昨年3月に退官し、東大客員教授となったが、もともとは文学部心理学科を卒業してニコンに就職。結婚で寿退社し、夫の実家のうなぎ屋で働いたという経歴の持ち主だ。その後、財団勤務でドラッカーの経営理論に出合って開眼。大学院で博士号を取得して学問の道へ進んでから会計検査院の検査官になったというのだからまさに異色の人だろう。本書は会計検査院とはどんなところなのか、その仕事をわかりやすく紹介する目的で書かれたようだが、税金の使い方について検査院が行った検査の実例紹介と分析になっているところがドラッカー流か。
たとえばコロナ禍でのアベノマスク問題。各種の報告をもとに突発事態の泥縄作業でマスクの仕様書がなかったことで混乱が生じたと指摘。口調は柔らかだが、公正でオープンな資料の公開こそが議論の根底であることを教えてくれる。 (講談社 1320円)



















