時空を超えて没入 文庫で読む時代小説(4)情のあつい家族による市井の謎解き物語
「とりどりみどり」西條奈加著
時代が違えど人の求める情や探求心は変わることがない。今回は、時空を超えてもなお身を乗り出したくなる時代小説をご紹介。盛りがすぎた鉱山の町で起きた不可解な事件に挑む男たち、犬だけが相棒の元同心、騒がしくも楽しい異母きょうだいらの活躍をお楽しみあれ。
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「とりどりみどり」西條奈加著
舞台は、日本橋にある廻船問屋の「飛鷹屋」。鵜之介23歳、お瀬己20歳、お日和17歳、お喜路15歳、鷺之介11歳の5人きょうだいがいる家族だが、それぞれ母が異なる異母きょうだいだ。主人の鳶右衛門は、自ら遠国まで船に乗り商いをしている豪傑でほとんど家におらず、異母きょうだいを分け隔てなく育てた正妻のお七は、5年前に亡くなったものの、3人の姉妹の押しの強さでいつも家は賑やかだ。姉たちに揉まれている年少の鷺之介は、一日も早く姉が全員嫁いでくれることを願っていたのだが、ある日、先に嫁いでいたお瀬己が立腹しながら家に帰ってきた……。(「螺鈿の櫛」)
「心淋し川」で第164回直木賞を受賞した著者による7話短編連作の謎解き人情物語。姉たちに振り回される日々を過ごす鷺之介の視線を通して、家族の謎が解き明かされていく。
(祥伝社 902円)


















