跡目争いに巻き込まれた2人と1匹を描いた痛快時代小説 「綱吉の猫」伊藤尋也著

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「綱吉の猫」伊藤尋也著

 元禄3年、家督を継いだものの、まだお役につけない23歳の百地平十郎は、つてを頼って江戸城で将軍綱吉の御側用人・柳沢吉保と面会。百地家は伊賀忍びの頭目として名高いが、平十郎は分家で忍びでもない。

 しかし、なぜか柳沢から奉行職に任ぜられ、指示された「小辰の間」に向かうと、スズと名乗る茶坊主姿の娘とその膝で眠る白黒ぶち模様の子猫がいた。スズによると子猫は、福松様という上様の御猫であらせられるという。猫を飼ったことがない平十郎だが、福松様は確かに可愛らしい。だが、その御猫番だというスズから、平十郎の役目は毎日、福松様のお相手をする猫奉行だと教えられ、複雑な気持ちになる。

 江戸城の水面下で繰り広げられる綱吉の跡目争いに巻き込まれた2人と1匹を描く痛快時代小説。 (光文社 770円)

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