週末オススメ本ミシュラン
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「ポストモダン・ニヒリズム」仲正昌樹著/作品社/2018年
難解な哲学や思想をわかりやすい言葉で説明できる人が、ほんものの知識人だ。その点で、現在の日本で仲正昌樹金沢大学教授の右に出る人はいないと思う。 これまでにカント、ヘーゲルなどのドイツ現代哲学…
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「『10%消費税』が日本経済を破壊する」藤井聡著/晶文社
本書の内容は、来年10月に迫った消費税率10%への引き上げを、徹底批判するものだ。 本書の前半は、消費税率引き上げが、どれだけ経済に悪影響を与えてきたのかを分析することに費やされる。14年に…
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「あかんやつら」春日太一著/文春文庫
「江戸城は誰が造ったか」と問われて、太田道灌と答えると正解とされる。「いや、大工と左官が造ったのだ」は笑い話とされるが、これをジョークとしてしまっては、カルロス・ゴーンの高額報酬を批判できなくなるだろ…
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「情報戦争を生き抜く武器としてのメディアリテラシー」津田大介著(朝日新聞出版/910円+税)
355ページもある新書なんて初めて見た……とまずはギョーテンする書であるが、とにかく、ここ何年かのネットにまつわるさまざまな事例をこれでもか、というぐらい繰り出してくる。もともと2009年に「Twi…
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「作戦司令部の意思決定 米軍『統合ドクトリン』で勝利する」堂下哲郎著/並木書房/2018年
海上自衛隊で護衛艦「はるゆき」艦長、自衛艦隊司令部幕僚長、横須賀地方総監などを歴任した堂下哲郎氏による優れた戦略書だ。米軍の統合作戦計画(2017年改訂)を十分に消化した上で、日本人に向けて書き下ろ…
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「日本史で学ぶ経済学」横山和輝著/東洋経済新報社
本書は、歴史に刻まれた経済的なできごとを最新の経済学の観点から振り返り、分析するものだ。かつてマルクス経済学は、歴史学の表情を兼ね備えていたが、近代経済学が主流になるにつれ、経済学が単なる数式の羅列…
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「とくし丸のキセキ」住友達也著/西日本出版社
「足元を掘れ! そこに泉が湧く」とゲーテは言った。徳島でタウン誌「あわわ」を成功させた著者は、足元の生活を見つめ直して、新しい“泉”を湧出させた。 求められて私は次のような推薦文を寄せたが、「…
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「血の雫」相場英雄著/新潮社/1700円+税
ネット社会の暗部というか、恐ろしさ、悪用の仕方と人間の業の深さをこれでもか、と描いたサスペンスである。徹底した取材で知られる著者の描写は、ネットをよく見る人なら「あるある」とうなずき、苦笑いしてしま…
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「ペットと葬式 日本人の供養心をさぐる」 鵜飼秀徳著/朝日新書 2018年
著者の鵜飼秀徳氏は、宗教の内在的論理がわかる稀有なジャーナリストだ。「寺院消滅」「無葬社会」(いずれも日経BP社)など、現下日本の宗教が抱える問題を、丹念な取材と強靱な思考力によって、すぐれた作品を…
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「感動経営」唐池恒二著/ダイヤモンド社
国鉄が分割民営化されたとき、北海道、四国、九州の三島会社の経営は、非常に厳しいものになると誰もが思っていた。 しかし、JR九州だけが黒字化を達成し、株式上場までしてしまった。その奇跡の最大の…
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「戦争体験と経営者」 立石泰則著/岩波新書
ダイエーの現在は芳しくないとはいえ、それによって創業者の中内功の思想と行動が忘れられていて、いいわけではない。 1980年のことである。関西財界セミナーに出席した中内は、当時、関西財界のドン…
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「朝日ぎらい」橘玲著/朝日新聞出版/810円+税
タイトルだけを見ると「朝日新聞的」なものをボコボコに叩く本と思われるかもしれないが、そういうわけではない。「リベラル」と「保守」のありようについて各種データを読み解き、解説した本であり、バランスが取…
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「二〇二五年、日中企業格差」近藤大介著/PHP新書/2018年
中国が10年以内に米国と肩を並べる超大国になるということは確実だ。より正確に言うと覇権を求める世界第2位の帝国主義国家になるということだ。 現代社会においては、政治や軍事よりも経済の方が重要…
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「大坂堂島米市場」高槻泰郎著/講談社現代新書
数年前、法事で親戚が集まった時、母方の祖父が大阪出身で、堂島の米市場で働いていたことを初めて知った。母方の祖父は、私が生まれる前に亡くなっていたので、祖父のことを聞く機会がそれまでなかったのだ。 …
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「阿Q正伝」 魯迅著 増田渉訳/角川文庫
気持ちが下降気味になると、魯迅を読む。今回は、角川文庫が改版され、解説を頼まれたこともあって、改めて手に取った。 魯迅と同じように好きなニーチェは「神は死んだ!」と叫んでキリスト教に反逆した…
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「お金からの解放宣言」秋山哲著/かんよう出版/1800円+税
先日、45歳になったということで、受給年金の暫定金額が送られてきた。これまでに払った分でもらう場合、国民年金が年間48万円、4年間会社員をやったので厚生年金が同14万円の合計62万円である。78歳の…
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「愛国奴」 古谷経衡著/駒草出版
評者が現在、いちばん注目している若手の論客は古谷経衡氏だ。同氏は物事を突き放してみる観察者としての優れた目とユーモアのセンスを併せ持つ。 同書は、小説の体裁を取っているが、古谷氏自身がネット右翼…
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「ブラックボランティア」本間龍著/角川新書
2年後の東京オリンピックでは、11万人ものボランティアが運営に協力する。炎天下の重労働を10日間もするというのに、報酬は一切出ない。それどころか、会場までの交通・宿泊費や事前に行われる研修に参加する…
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「自民党本流と保守本流」 田中秀征著/講談社
宮沢喜一のブレーンとして知られ、武村正義らと共に新党さきがけをつくった著者は、「小日本主義」の石橋湛山の孫弟子を自任する。 著者が自民党をとびだしたのは自民党が保守本流ではなくなったからだっ…
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「真説・佐山サトル タイガーマスクと呼ばれた男」田崎健太著/集英社インターナショナル2400円+税
1980年代前半、新日本プロレスは金曜日の20時という絶好の時刻にテレビで放送されていた。それだけ視聴率が取れるコンテンツだったわけだが、その中でも圧倒的人気を誇ったのがタイガーマスクである。 …
